Track 1 両手を広げて
活動日誌4 リッスン とぅー ・ マイ はーと! 2
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ているらしい。お世話をするのが大好きなんだそうだ。
とても優しくて真面目そうな性格の花陽さんに向いているんだと思う。
たぶん、私には無理だ――あと、お姉ちゃんも!
だって――
誰かに世話してもらっている人間が飼育委員なんて出来る訳ないじゃん!
なんか悲しくなってきたけど、これが現実なんですね?
そんなことを考えながら、花陽さんが席に座るのを眺めていたのだった。
「……入部届です」
「……はい……確かに受け取りました。…………」
花陽さんが椅子に――奥のパソコンの机で使う椅子をテーブルの方へ向き直して、ちょうど私達と凛さん達の間。いわゆる、お誕生日席に座った。
私達は花陽さんへと、手に持っていた入部届を差し出す。
花陽さんは2枚の入部届を数秒見つめると、笑顔を浮かべて承諾して、自分の鞄の中のクリアファイルにしまった。たぶん学院側から用意された生徒会へ提出する為の各部の名簿の用紙が入っているのだろう。
もちろん、生徒会へ提出するのは先の話だけど――こうして私達の決意が部長の手に渡り、生徒会や学院へと手渡される。つまりは、居場所として認められたと言うこと。
これからの活動を見守ってもらえると言うこと。
そして、私達の信念を見続けられると言うこと。
この学院の一生徒として恥ずかしくない――周りにも自分にも胸をはっていられるように頑張っていく為の、決意表明に思えていた。
私達は改めて、正式に入部を認められたことで気持ちを引き締めるのだった、
真姫さんが私と亜里沙に右側の席に座らせた理由。
そして凛さんを自分の隣――花陽さん寄りに座らせた理由。
それは花陽さんがお誕生日席に座るから――
つまり、アイドル研究部の部長が上座。そして、次にリーダーの凛さん。最後に副部長の自分。
その対面の私達――つまり、私達を部長に近い席に座らせる為だったのだろう。入部届の受理を最小限の動作ですむ気遣いなんだと思う。
そして、この部室は続き部屋の一室。真姫さん達の座る左側の壁の向こうが続き部屋になっている。
つまりは、私達の席は下座になるのだろう。だから私達を誘導したんだと思う。
スクールアイドル μ's には先輩後輩と言う概念がない。それはメンバーが9人揃った時に絵里さんが提案したのだと言う――同じグループで活動する以上、変な遠慮は活動の妨げになるからと。だから、全員が友達のように接しているのだった。
だけど、それは――
そう言った先輩後輩と言う概念を持っているから成立するんだとも思う。
音ノ木坂の校風は生徒の自主性を重んじる――生徒が主体となって、より良い
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