Track 1 両手を広げて
活動日誌4 リッスン とぅー ・ マイ はーと! 1
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ちゃんが! 色んな意味で。
そんな5人のやり取りを俯きながら小刻みに体を震わせて聞いていた花陽さんは、突然その場に立ち上がると――
「みなさん、そこに座ってください!」
――いえ、花陽さん? みんな既に座っておりますが?
「いいですか!? 新入部員もいることですし! もう1度説明させてもらいますとね! この……ブルーレイBOXは! 伝説のアイドル伝説と言って、それこそ各プロダクションやら学校やらが総力をあげて結集した! いわば、アイドルの玉手箱なんです! 前に発売されたDVD BOXなんて……通販、オークションともに瞬殺! 選ばれた勇者のみが持つことを許された代物なんです! ……まぁ、そんな勇者が間近にいたのは驚きでしたが……それも3つも……ですが! そんな私達の熱い要望に応えて! ブルーレイ版として発売されたのが、この! 伝説のアイドル伝説ブルーレイBOXなんです! そう、まさに! 伝説のアイドル伝説の伝説の伝承! 略して……伝・伝・伝・伝なんです!!」
それまでの花陽さんの雰囲気が何かのスイッチが入ったかのように豹変して――ブルーレイBOXを手に取り、これだけの長台詞を1文字も噛まずに捲くし立てるように言い切った。
それは、もう――こうやって、私が活動日誌に一字一句漏らさずに書けるほどのインパクトと聞き取りやすい声で。
そんな花陽さんの気迫に唖然としている私達とは対象に、お姉ちゃん達は満面の笑みを浮かべながら彼女の話に耳を傾けていたのだった。
花陽さんは大のアイドル好きらしかった。
ううん――アイドルに情熱と愛情を注いでいる。それこそ先代部長のにこ先輩に匹敵するくらいに。
だからこそ、にこ先輩は花陽さんに部を託したんだろう。
だけど、花陽さんは普段はとてもおとなしい、とても引っ込み思案なところがある。
もちろん入ったばかりの頃よりは格段に成長してはいるけど――それでも控え目なところは変わっていない。
だから、会話の最初のように俯きながら呟くことが多いのだと言う。
でも、私と亜里沙はこれからはアイドル研究部の一員。花陽さんの後輩として一緒に活動していくことになる。
だから、私達には花陽さんの横顔――アイドルについて語る花陽さんの部分も知っていてほしい。そんな気持ちからの誘導だったらしい。
当然、お姉ちゃん達は伝説のアイドル伝説のタイトルは知っている。そして、花陽さんもお姉ちゃん達の意図には気づいていたみたい。
だから長台詞を
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