付和雷同
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
謎の博士とのバトルでの敗北からもっと強くなる決意したサファイアはコトキタウンからトウカシティ、続いて海岸線までの道のりを、出来るだけトレーナーとバトルしながら進む。トウカシティにはジムリーダーがいるのだが、今は休業中らしかった。サファイアとしては初のジム戦に望めないのは残念だったが、仕方ないだろうとルビーに諭されて納得した。
「――これでフィニッシュです、だまし討ち!」
今もサファイアのカゲボウズが、影分身で姿を見失わせたところを背後からのだまし討ちで決めたところだった。それをルビーは退屈そうに眺めている。サファイアがバトルをしている間、ルビーはいつも日傘をくるくる回したりして暇を持て余していた。初めてであった時の一戦以来、サファイアはルビーのポケモンバトルを見ていない。
対戦相手との握手を交わした後、サファイアはルビーにこう切り出した。
「なあ、ルビーはポケモンバトルしないのか?お前だって、ポケモントレーナーとして旅に出たんだろ」
「……」
「おい!」
完全スルーされたのでちょっとむっとして呼びかけると、ルビーは上の空だったらしくはっとしてサファイアの方を向いた。
「ああ、悪かったね。ボクがバトルしない理由かい?まあ大したことじゃないさ。単に面倒なんだよ。手間だと言ったほうが正確かな。だからやらない」
ボクのポケモンは攻撃技をほとんど覚えていないからね、雑魚相手にいちいちそんな戦い方をしていたら疲れるだろ?と付け足したが、サファイアは頷けない。
「なっ……じゃあお前は何のために旅に出たんだよ!それくらい教えてくれたっていいだろ!」
「別にいいじゃないか。ボクが戦わない分、君が他のトレーナーと戦うことが出来て強くなれる。ボクは楽が出来る。ギブ&テイクというやつだよ。それとも――君はボクが旅をする理由がわからないと困ることでもあるのかい?」
「ニートかよ!いや……ないけどさ、気になるだろ?」
「やれやれ、君には自分というものがないのかい?君のポケモンバトルもそうだけど……まるで、アレみたいだね」
そう言ってサファイアがそれにつられて上を見上げると、何やら紫色の風船のようなものの大群が飛んでいた。大きいのもあれば、小さいのもある。サファイアにはわけがわからない。
「あれがどうしたんだよ?……っていうか、なんだあれ。誰かがまとめて飛ばしたのか?」
「知らないのかい。まあ、この地方じゃ珍しいか……あれはフワライドっていうポケモンの群れさ。フワンテも混じってるね」
「それがどうして、俺に関係あるんだよ」
そう聞くとルビーは人差し指を立てて講釈を始める、何故か得意げに胸を張って。
「フワライドというポケモンの名前は、付和雷同という言葉がモチーフになっているんだ。君はどうせ知らないだろ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ