付和雷同
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は確実じゃあない。まして攻撃をしながらじゃね。それよりは……ヨマワル」
三度フワライドがシャドーボールを打とうとしているところに、ルビーはたった一言ヨマワルに命じる。聞いたサファイアが少し怖くなるくらいのぞっとする声だった。
「呪」
ヨマワルとフワライドの体の前に、黒い五寸釘のようなものが出現して、お互いの体を打ち付ける。両方の苦しそうな声が響いた。そんな中で放たれたシャドーボールがヨマワルの体を捉え……ヨマワルが瀕死になる。
「……ごめんよ、ヨマワル」
普段のルビーからは想像もできない、悲しそうな声。それは自分で自分のポケモンを傷つけることをしたことが原因なのだろう。サファイアもさすがにそれは察して、どうしてこんなことを、とは聞かなかった。ルビーは軽い気持ちでやったわけではないのだから。
「出ておいでロコン、影分身」
「カゲボウズ、影分身だ!」
ゴーストタイプのポケモンによる呪いの効果は、サファイアも知っている。自分の体力と引き換えに、相手の体力に依存するが大きなダメージを与え続ける技だ。フワライドの体力が高ければ高いほど、フワライドは苦しむことになる。後は呪いがフワライドを瀕死にするのを待つだけでいい――それがルビーの作戦だ。
「−−ラァーー!!」
フワライドが苦しそうにもがく。この効果から逃れるには、一旦引っ込むか瀕死になるかしかない。二人で回避に徹して倒れるのを待っていると……フワライドの体が、膨らみ始めた。ルビーがすぐさま反応する。
「……まずいね。自爆か、大爆発するつもりだ。どうやらボク達ごと巻き込むつもりみたいだよ。よっぽど怒ってるんだね」
「なっ……それじゃあ、早く逃げるぞ!」
ルビーが頷いて、二人そろってフワライドから離れるように走り出す。……が、ルビーの動きは遅い。日傘をさしたままだからだ。
「それ閉じろよ!今は傘なんかさしてる場合じゃないだろ!」
「いや、それはできないんだ。ボクは……日光が苦手でね。この件は君のせいじゃない。別にボクは置いていって全力で逃げても恨まないよ?」
声と状況からしてからかわれているわけではないだろう。だがそれはどういう意味だろうか。今は考えている余裕がない。
「……そんなことできるわけないだろ!ああもう、じゃあちょっとじっとしてろ!」
「いや、ボクだってできれば逃げたいんだけど……えっ、サファイア君?」
サファイアはルビーをお姫様抱っこの要領で持ち上げ、再び全力で走り出す。さっきよりだいぶ速度は落ちるが、ルビーを置いていくより何倍もましだった。
「あはは、まったく君は初めて会った時から相変わらず……」
サファイアの腕の中で傘を差すルビーの声に返事をする余裕もない。走って走って――後方で、凄まじい爆発音
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