付和雷同
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離れるなんて珍しい……」
ルビーも興味を示したのか、近づいてきたフワンテの方を見る。フワンテはサファイアたちに何をか訴えかけるように体を膨らませて鳴いた。
「ぷわわ〜!」
「いったいどうしたんだ……カゲボウズ、わかるか?」
相棒のカゲボウズにフワンテの感情をキャッチさせる。ピンとたった角に集まったのは黒色に青が混ざったような感情のエネルギー――すなわち、焦りや不安といったものをこのフワンテは抱いていることがわかった。カゲボウズの感情の読み取り方はルビーも知っているようで、少し面白そうに
「へえ、フワンテが群れになることに不安や焦りを覚えるなんて……うん、興味深いな。君、良かったらボクと一緒に来ないかい?」
ルビーはフワンテに手を差し伸べる。それを見たフワンテはサファイアとルビーを交互に見比べて少し迷った後、サファイアの方に近づいた。自分の体の紐のような部分をサファイアの指に巻き付け、すり寄る。
「えっ、俺の方がいいのか?」
「ぷわ〜」
どうやら気に入られた――もしくは頼られたらしい。それを見てルビーはやれやれと嘆息して。
「どうやらフラれてしまったみたいだね。せっかくだから捕まえてあげたらどうかな?フワンテ自身が君のところに行きたがっているようだしね。本来ならこんなことめったにないんだよ」
「そうなのか……うーん、初めてのポケモンゲットがこんな形になるなんてな」
少し迷うサファイア。だが答え自体は最初から出ている。ゴーストタイプのポケモンと共にチャンピオンを目指す。それがサファイアの今の目標なのだから。
「よし、決めた!フワンテ、これからよろしくな!」
腰のモンスターボールを持ち、こつんとフワンテに当てる。フワンテの体がモンスターボールに収まり、何の抵抗もなくカチッという音がして捕まえるのに成功したことが伝わってくる。
「フワンテ、ゲットだぜ!」
ポケモンの世界では言わずと知れた名台詞を、モンスターボールを空に掲げて言う。
「へへ……それにしてもルビーはこれでよかったのか?珍しく興味を示してたみたいだけど」
そう聞くとルビーは肩をすくめて。
「ボクだって礼儀はわきまえているということさ。ポケモン自身が君の元に行きたがったんだ。それを邪魔するほど無粋な性格はしていないよ、それに――」
続きを言いかけたルビーがはっとまた空を見上げる。カゲボウズも角で感情をキャッチして上を見上げた。サファイアが釣られて上を見ると……そこには、フワンテより何倍も大きい紫色の気球の様なポケモン、フワライドが空から近づいてきていた。それも、カゲボウズの感情がキャッチしているのはほとんど赤に近い色。つまり強い怒り、敵意をもって近づいてきていることがわかる。
「今度はなんだ……!?」
警戒する
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