旅立ちは彼を目指して
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と名を聞いた少女はほんの少し眉をひそめたが、サファイアは気づかない。
「……まあいいか。察するに、君も今日レイヴン博士からポケモンを貰う予定だったんだろう?誰かに奪われたみたいで残念だったね。それと……ボクの事、もしかして覚えていないのかい?」
「え……?いや、悪い。どこかで会ったことあったっけ?」
サファイアのもの覚えは悪くはない。だがこの少女に見覚えはなかった。
(でもなんだろう、この雰囲気には覚えがあるような……)
「……そう、わかったよ。ここであったのも何かの縁だ。どうせなら一緒に旅をしないかな?」
か弱い女の子の一人旅は危ないからね。と嘯く。正直言って、か弱い女の子はこんな喋り方しないとサファイアは思った。思ったので口に出すと。
「やれやれ。ボクがどんな喋り方をしていようとボクは女子なんだ。盗人やケダモノには関係のないことだよ。それで――受けてくれるのかい?」
やっぱり随分はっきりものを言うので、守る必要があるとは思えなかったりするが……気にはなる。それに、一緒に旅をするのならお互いをライバルとして実力を高め合うことも出来るだろう。
だけど、この少女が自分を女子と言い張るならサファイアだって一人の少年だ。素直にわかったというのは照れ臭い。なので。
「……名前」
「ん?」
「人にものを頼むときは、まず名前を名乗れよな。俺はサファイア。サファイア・クオール。あんたが名前を名乗るなら……その話、受けてやってもいいぜ」
「なんだそんなことか。ボクの名前はルビー・タマモだよ。ミスマッチな名前だろう?」
「……親に貰った名前を馬鹿にするもんじゃないぜ。ま、わかったよ。じゃあルビーでいいよな?」
「ああ、これからよろしく頼むよ。サファイア君」
こうして。謎の襲撃者の危機を乗り越えて今日旅立ったばかりの少年少女は出会い。また101番道路を歩き出すのだった――。
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