憧れのチャンピオン
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すねえ、素晴らしい攻撃でした。二体同時の完璧に統制のとれた不意打ち……まともに受けていれば僕のジュペッタといえどひとたまりもないでしょう。――ですが、僕は一度目、シャドークローを命じてはいません。
予めバトルの前に言っておいたんですよ。悪タイプが出てきたら僕が何を言おうとまず影分身をするようにね」
そう、最初の言葉はフェイク。チャンピオンは悪タイプが出てきた時点で――いや、バトルが始まる前からあらゆる状況を予測していた。その演出に、観客はどっと沸き立った。
「後は簡単です。攻撃が決まったと思いこんだ君たちの急所はがら空き……僕のジュペッタにかかればそこを狙い撃つことは容易というわけです。さあ、バトルを続けましょうか」
「ふん、絡繰か……なるほど、貴様に相応しい小技だな。だがまだ勝負は終焉を迎えてはいない」
「ええ、本当の勝負はここから――そうでしょう?」
「当然。……出でよ、ドンカラス、バルジーナ!」
モンスターボールを宙に放り、そこから漆黒の翼を羽搏かせて二体の飛行・悪ポケモンが現れる。
「おっと、これはまた……悪タイプのポケモンの様です!イグニスさんは炎タイプのジムリーダーでもあり、飛行タイプ使いの四天王ということですが、今回は完全にチャンピオンを倒すための構成にしているということなのでしょうか!」
極端な構成に観客がイグニスに対してブーイングを起こす。イグニスは何も答えないが、シリアはそれを片手を軽く上げて制した。観客席が静かになる。
「お集りの皆さん、そのような声はこのバトルに相応しくありませんね。どんなポケモンで挑まれようとも、僕にとっては何の問題もありません。むしろ喜ばしいじゃありませんか、それだけ本気で来てくれているということは……ね?」
シリアがイグニスを見る。イグニスはふんと鼻を鳴らしただけだったが、シリアの余裕且つ優雅な態度を見せられては、それ以上のブーイングを起こすものはいなかった。
そこからのバトルの続きがどうなったかは、これから出てくる彼に任せるとしよう――
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