第7話『闇の暗殺集団〜七鎖走る!』
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に苛まれ、人肌の恋しさを求めて、いつか守るべき民すらも喰らうんじゃないか――
そう思わずにはいられない。
だから――
「俺を信じてくれているアルサスの人たちの為にも、そういう弱音は吐けない、その人の前では、俺は勇者でなければならない。普通の人を超える力を持つものとして」
やがて、凱は少し自嘲気味に言葉を続ける。
「でも、俺は……いつか、自分が獅子王に立ち戻ってしまうんじゃないか……テナルディエ軍のように、いつか民を虐げる存在になるんじゃないか……そう思うと、怖いんだ」「そんなことはありません!」
突然声を荒げて立ち上がったティグルに、凱とティッタは驚いた。
「俺には、ガイさんの抱えている怖さや、昔、何があったかなんて……知りません。でも、現にアルサスを……ティッタを……領民を守ってくれたじゃないですか!ガイさんは……ガイさんは……不殺を貫く勇者じゃないですか!非道なテナルディエ軍とは違う!」
何気なくティグルの口からでた言葉。それを聞いた凱とティッタは目を丸くした。ただ、凱にとって、それはティグルからの叱咤激励のように感じた。
「それ比べて……俺は……俺は……」
「ティグル?」
「結局、みんなに助けられて、それ以上に……自分の無力を痛感しました。アルサスは兵を集めようとすれば、せいぜい百人程度。対してテナルディエ公爵は良くて1万、最悪は3万……昨日の宴で、ガイさんの勇戦を聞いて思いました。結局は、『ああ、俺はガイさんみたいになれない』と分かっちゃって……エレンと隣で戦ってみて、彼女の凄さを知って……ティッタには怖い思いをたくさんさせて……俺には何もできなくて……」
地面がいつしか濡れていた。見上げると、ティグルは双眸に滂沱の涙を流していた。
ティグルとて、外つ国とはいえジスタートの兵を借りてアルサスへ戻ってきた。エレンの力を借りて、リムの力を借りて、みんなの力を借りて、テナルディエ軍を撃退できた。
実の所、ティグル自身は、少しも勝ったとは思えない。
勝利したのは、ジスタートで、実際に民を……ティッタを守ったのは、シシオウ=ガイという青年だ。
俺は……民に何ができたんだ?
自分だって、逃亡寸前の、ザイアンが駆る飛竜を穿ち、貫いた。だが、それは黒き弓の力。エレンのように、竜具を手足のように操れるようでもなく。自分でも弓の全容を知らない故、自分自身の力とは言えない。最初は、この弓の力があればきっと、なんて思っていたが、結局はただの強がりだと理解して。
悔しくて、悔しくて、自分がいかに矮小な存在かが理解できた。
俺には、戦う才能がない。勇気がない。
それをわかってしまうのが、怖かった。
「ずっと昔、父上と王宮に言ったとき、弓が取り柄だと知られたら、多くの人に笑われま
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