第5話『蘇る魔弾!解き放たれた女神の意志!』
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」
とりあえず深呼吸。そしてゆっくり口を開く。
「ガイさん、ルーリックさん、あたしから説明します」
事情を知らない凱にとって、禿頭の男の存在は警戒すべき対象だった。
だが、ティッタの説明が間髪入り、事無き事を得た。
男の名はル―リックと名乗った。
ジスタートが町の守備として百騎程残した部隊の、指揮官だという。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そうか……ルーリック殿。あなたの言葉を疑ったことをお詫びします」
「仕方のないことです。こちらも礼を失したことをお詫びします。ガイ殿」
冷静さを欠いていた凱は、ル―リックに詫びた。
凱は侵攻するテナルディエ兵を相手に、ルーリックもまたテナルディエ兵に対し臨戦警戒をしていたので、互いに緊張感が張り詰めていたのだろう。
仔細はティッタから、ルーリックも捕捉を付ける形で凱は理解した。
それから、凱の身なりを見たティッタは凱に傷の手当をしていた。矢を捌ききれなかった傷が今になって痛み出した。
「本当に……本当に……あたしは……ガイさんに感謝しきれません」
「分かったからもう泣くなって」
優しく微笑んで、凱はティッタをなだめた。逆に、凱のその優しさが、ティッタの瞳により一層涙を浮かばせた。
事情を理解した凱は、町の残存兵力をジスタートに任せて大丈夫だろう。やっと肩の荷を下ろすことが出来た
「とにかく、約束はこれで果たした。後は主様の勝利を信じて待っていればいい」
信じて待つこともまた一つの勇気。ティッタはそれを受け入れていた。
ティグル様……どうかご無事で。
あの日、ディナントの戦いで見送ったティッタの不安は、なぜか感じなかった。
不思議なことに、必ず帰ってきてくださる、という事を深く確信していた。とりわけ根拠があるわけではないが――
二人のやり取りを眺めていたルーリックは、ティッタの反応を観察して、凱の気性を理解した。
「成るほど、シシオウ=ガイ殿はバートラン殿から聞いた通りの人物でございますな」
何かを納得したかのように、ルーリックは凱の顔を正面から見据えていた。
「俺の事を知っているのですか?ルーリック殿?」
禿頭の若者に声を掛けられて、青年は何処か既視感を受けていた。
彼の頭髪は、ワンパンで状況をひっくり返す最強ヒーローに見えなくもない。命のイチオシアニメでそのような存在を知ったのだった。
それほどまで、見事な禿頭を見るのは初めて見た。
――しばらくして、凱はティッタとバルコニーで二人きりになっていた。――
夕日の風を受けて、ライトメリッツとジスタートの国旗がひるがえる。
凱の推測が正しければ、そろそろジスタ
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