358部分:第四十九話 竪琴の力その二
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第四十九話 竪琴の力その二
「これは幻術だったのだ」
「幻術!?」
「まさか。俺達を騙す程の幻術なんて」
使える人間がいたのかと、青銅の者達は言う。しかしカミュはその驚く彼等に対して再び言うのだった。その冷静そのものの声でだ。
「出来る者はいる」
「出来る奴!?」
「っていいますと」
「そうだな。グラシャラボラスよ」
今度はリュートを見ての言葉だった。
「私の言葉に誤りはあるまい」
「流石はアクエリアスの黄金聖闘士」
リュートの今の言葉は返答であった。
「そこまでわかるか」
「仕掛けてきた者は八大公の一人」
カミュはさらに言ってきた。
「ベリアルのレダ。いるな」
「如何にも」
ここでだった。新たな声が聞こえてきた。それと共に八人の異形の衣をまとった者達を従えた男が。リュートの後ろに姿を現わしたのであった。
「何だっ!?あの禍々しい小宇宙の連中は!」
「そしてその中央にいるあいつは」
「まさかあれが」
「八大公の一人」
「そうだ。あの男だ」
カミュは驚く青銅の者達に対して述べた。
「あの男がベリアルだ」
「ベリアルのレダですか」
「あの男が」
バベルとオルフェも彼の姿を認めて言うのだった。
「これ程禍々しい小宇宙を放つとは」
「八大公。話以上ですね」
「アクエリアスだな」
その男が今カミュに対して声をかけてきた。
「そうだな。間違いないな」
「そうだ」
カミュはその男に対して言葉を返した。
「私がアクエリアスのカミュだ」
「やはりな。私がベリアルだ」
そして彼もまた自らの名を名乗るのだった。
「アーレス様にお仕えする八大公の一人。ベリアルのレダだ」
「ケルベロス達を見せてくれるとはな」
「ケルベロス達を打てばその衝撃が御前達自身に返るようにしてあった」
レダはここで種明かしをしてみせてきたのだった。
「それも見抜いていたのだな」
「目では誤魔化せることはできる」
カミュがここで言うのは目のことだった。
「しかしセブンセンシズは誤魔化せない」
「ふふふ、セブンセンシズか」
レダはそのセブンセンシズという言葉に目を向けた。
「それを持っているからこその黄金聖闘士だったな」
「そして八大公もそうだな」
カミュは今レダに告げた。
「セブンセンシズを持っているな」
「如何にも」
レダもまたそれを否定しなかった。
「アーレス様の八大公もまた全てそのセブンセンシズを持っているのだ」
「ならば私が読んだのもわかるのだな」
「如何にも。やはりこの罠は見抜いたか」
「そういうことだ。そしてだ」
さらにレダに対して言うのだった。
「これで終わりというのか」
「罠は破られた」
レダの声はまずは平然としていた。
「そう
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