Track 1 両手を広げて
活動日誌3 のーぶらんど・がーるず! 1
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そんなことはあり得ないとわかっていたから、普通にお姉ちゃんを見ていたのだった。
お姉ちゃんは教壇に立つと――
「……皆さん、こんにちは! 生徒会長であり μ's のリーダーの高坂 穂乃果です!」
声高らかに言うのだった。いやいや、全員知っているから!
そんな私の表情に気づいたお姉ちゃんは、含み笑いを浮かべると――
「――そして、高坂 雪穂の姉の高坂 穂乃果です!」
そうなるだろうとは予測していたものの、バリエーションの一種として挨拶に加えてきたのだった。私はお姉ちゃんの言動よりも周りの反応が気になったんだけど――
周りにいたクラスメート達は特に驚いた様子もなく、普通に受け止めていたように思える。
それも全員が全員――
「はい、知っていましたよ?」
そんな空気を纏っているような感じさえしていたのだった。
♪♪♪
実は全員――正確には私達のクラスの全員が真実を知っていたんだって。
と言うのも、クラスメートの1人は亜里沙と同じくらいに μ's を応援し続けてきたらしい。もちろん μ's のライブにも何度も足を運んでいた。
その際に、私や亜里沙を良く見かけていたんだって。
そして彼女はあの日も当然来ていたみたい――あの、1回目のラブライブ! への出場がかかっていた文化祭でのライブ。
お姉ちゃんが倒れたあの瞬間を彼女は見ていた。
お姉ちゃんが倒れた瞬間に、無我夢中で叫びながら駆け寄った私――その一部始終を彼女は心配そうに見ていたのだった。
だから、私がお姉ちゃんの妹だってことは知っていたし――私が昨日この教室に入ってきた時に凄く嬉しくなって――私と亜里沙が今日の最初の休み時間に教室を離れた時に皆に伝えたんだって。
だけど私達が何も言っていなかったから、触れられたくないんだろうって――無理に聞くのはやめようって。聞かれるのがイヤだから休み時間毎に教室から離れていたんだろうって。
そんな風に話し合っていたんだって。ただ、校内を見て回りたかっただけなのにね?
もちろん、聞かないからって友達になりたくない訳じゃないけど。
つい、何かの拍子に話題を出しちゃうかも知れないからって、怖くて近づけなかったみたい。
確かに今日はクラスメートとは挨拶程度しか話をしていなかった気がする――亜里沙以外には。
そんな感じで彼女達も、今後についてどうしようか悩んでいたのだった。
彼女達がお姉ちゃんが教室の中に入ってきた時に驚いていたのは――私のお姉ちゃんなのは知っているから、私に用があって来たんだろうとは思っていたんだって。
だから誰かに呼び出してもらうのだろうと思っていたら――本人が普
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