Track 1 両手を広げて
活動日誌3 のーぶらんど・がーるず! 1
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かったかのように席に座ったのだった――そう、クラスメート達の疑問や好奇の表情を受け流して。
とは言え、私達は公言をしないってだけで秘密にするつもりはない。まぁ、遅かれ早かれバレるのだろうし、ね? だから、聞かれたのなら答えるつもりではいたのだった。
これも昨日、2人で決めたこと。お姉ちゃん達はお姉ちゃん達で、私達は私達――そしてクラスメート達と接するのは私達なんだから、わざわざ公言をしても仕方のないことなんだもん。
だって、凄いのは――
憧れているのは、お姉ちゃん達であって私達ではない。そして、そんな理由で集まる友達は友達とは言えない。私達の友達は私達で作るものだと考えている。
だから、私達は私達の力で相手に飛び込むし? 相手には私達だからと言う理由で飛び込んできて欲しい――そんな思いがあったのだった。
まぁ、要は――
お姉ちゃんと言う存在があるからって理由で私達との距離感を見誤る――私達から遠ざかったり、近づきすぎたり。そんな風に接してこられたくなかったからなのだよね。
なので、今回のケースに当てはめてみれば――
どちらの選択肢を選んだとしても、お姉ちゃんが気づいて声をかけてこないとは思えないから――結局、お姉ちゃんの妹だとバレてしまう。
ほら? お姉ちゃんのことだし――
「ウチの雪穂がお世話になってます」
くらいのことは言い出すんだろうなって考えたから――つまりは、不本意な状況でバレてしまうと言う訳だ。だから、どちらの選択肢も選べなかったのだった。
と言うよりね?
特に約束をしていた訳でもないんだし、来るだろうからって待っていないで――先に教室を出てしまえば良かったんだけどね?
だけど、お姉ちゃんは来るって思っていたし――それに、ほら? お姉ちゃんが教室に来た時に、さ?
私達が先に出て行って、教室にいなかったら悲しむかなって?
だけど、それで自分が八方塞になっていたら世話がないんだけどね?
何より、選択肢を選ばずに漠然と待っていても結果は同じなんだから――お姉ちゃんの行動を待っている私達って、蛇の生殺し状態なんだよねぇ?
私は苦笑いを浮かべつつ、未だ会話を続けているお姉ちゃんを見つめているのだった。
♪♪♪
「……そろそろ、良いかな? ――失礼します!」
お姉ちゃんは新入生達の会話が途切れたのを見計って、承諾を得てから教室へと入ってきた。
教室の中で眺めていた生徒達は驚いた表情を浮かべている。たぶん、廊下を通り過ぎるのだと思っていたんだろう。
私としては、通り過ぎてくれた方が良かったんだけど?
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ