Track 1 両手を広げて
活動日誌3 のーぶらんど・がーるず! 1
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れでも、新入生の大半は μ's に憧れを抱いているんだと思っている。
それに μ's はアイドルと言ってもスクールアイドルなんだ。普通に同じ校舎で学院生活をしているのだから、画面で見ているアイドルよりも身近に存在する。
だけど、私達は昨日入学したばかりだった。そして相手は最上級生。
ある程度時間が経過でもすれば接点も増えてくるだろうけど?
そんなに簡単に身近で見れるなんて思っていないんだから、当然感嘆の声もあげたくなるだろう――そうなるの、予想できたよね?
何を平然と私達の教室まで来てんのよ! お姉ちゃんは!?
「……うん、ありがと……へぇー? そうなんだぁ……ふむふむ……そっかー! ……」
「…………」
まぁ、元々予想はしていたことだし? 感嘆の声が聞こえてきた時点で来たのは知っていましたけどね?
――と言うか、さっさと入ってこれないかなー?
ちょうど、私の視界の先――教室の入り口にお姉ちゃんの姿が現れた。
ところがお姉ちゃんは教室に入ってこない――正確には、入り口で周りの新入生達と立ち話を始めていたのだった。
気さくで話やすくて、親身になって話を聞いてくれる――現生徒会長にして μ's のリーダー。それは、お姉ちゃんにとって美徳な点だと思う。
そんな雰囲気のお姉ちゃんだから皆が集まるんだと思うし――そんな雰囲気のお姉ちゃんだから皆が応援しているんだと思う。
だ・け・ど! 正直今はその美徳が仇になっているのだ――私にとっては!
たぶんお姉ちゃんは――話を聞くのに夢中で当初の目的をすっかり忘れているんだろう。
だけど、運が悪いことにお姉ちゃんは私の視界に入っている。つまり、お姉ちゃんの視界にも私達は入っているってこと。
だから下手に次の行動へは移せない――選択を見誤ると大変なことになるのだから!
そんな状況に陥っている私の脳内で2つの選択肢が発生した。
1 お姉ちゃんを無視して教室を出る
2 お姉ちゃんの方へ行って一緒に教室を離れる
私は脳内に発生した2つの選択肢を苦渋の表情で振り払った。だって、どっちを選んでも結果は同じだから――お姉ちゃんとの関係性がバレるという結末的に。
♪♪♪
私はクラスでの自己紹介の際、敢えて高坂 穂乃果の妹とは公言しなかった。
もちろん、憧れを抱いているクラスメートの間で私の苗字を聞いた時に小さなざわめきが起きていたのは知っている。当然亜里沙の時もだけど。
それでも、私達は公言をするつもりもなかったから、そのことには触れずに自己紹介を終えて、何事もな
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