Track 1 両手を広げて
活動日誌3 のーぶらんど・がーるず! 1
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
放課後。
HRを終えた教室と言う籠の中の鳥のような存在の生徒達が――籠の開閉口を開け放とうとするように、教師が教室を出ていくのを見届けている。
すると、開け放たれた開閉口から大空へと自由に羽ばたこうとしている――そんな風に一様に各々の行動を始める時間。
授業中にはなかった――座っている私の頭上、斜め上に造られていた教室を囲む壁以外には何もなかった見晴らしも――今はクラスメートの制服の波が行き来して見晴らしを遮っている。
とりあえず、その波に乗り遅れた私は自分の席に座ったまま、時間を持て余しながらその波を眺めていたのだった。
そう、特に何もすることのないあまり――普段では思いつかないような詩的な表現が出てきてしまうほどに。
すると、その波を避けながら1人のクラスメートが近づいてくる。
そのクラスメートは私の前まで来ると――
「……雪穂、行かないの?」
そう、聞いてきたのだった。
私は彼女に苦笑いを浮かべて――
「いや、たぶん……もうすぐ、来るんじゃないかなーって?」
そう答える。
私の答えを聞いたクラスメート――まぁ、亜里沙なんだけど?
亜里沙は私の意図に気づいて納得の微笑みを浮かべていた。
そんな私達の耳に、教室の外から響いてくる感嘆の声が聞こえてきた。私達は顔を見合わせて苦笑いを浮かべると、教室の扉の方へと顔を向けるのだった。
♪♪♪
次第に感嘆の声は大きくなってくる。まぁ、無理もないんだろうけど?
私や他の学校だったら、いざ知らず――こと、この学院。
ううん――新入生にとっては起こりうる事態なんだろう。
もちろん、新入生全員が当てはまるとは思っていないけど――少なくとも、今起きている感嘆の声の持ち主くらいには当てはまるのだろうから。
この学院は去年、廃校の危機に瀕していた。
それは生徒数の減少による学院存続が難しかったから――つまりは、受験者数が少なかったからなのだった。
そんな学院の危機を救ったのはスクールアイドル μ's の力が大きかったと思う。
彼女達が学院のアピールをしたことにより、受験者数が増えて学院は存続できた。
それは彼女達に憧れて一緒の学院に通いたい――そんな動機の生徒が多くいるってことだろう。いや、純粋に学院に惹かれて受験した子が多いのなら、初めから廃校なんて案は出ないだろうしね。
もちろん μ's はあくまでも広告塔――彼女達を媒体として、純粋に学院の魅力に興味を持った子だっていないとは限らない。
だから全員が当てはまるとは思っていないんだけどね?
そ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ