Track 1 両手を広げて
活動日誌2 あいしてる・ばんざーい! 3
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だよ、笑顔!」
満面の笑みを浮かべて、そんな注文をしてきたのだった。
私は思わず不機嫌な顔を浮かべていた。
いや、だって、こんな状態で何を簡単に笑顔とか言っちゃっている訳? たぶん、そんな気持ちの表れだったんだろうな?
だけど、お姉ちゃんは私の不機嫌な顔など無視して笑顔のままで強要してくる。
どうせ反論をしても仕方ないからと、私は笑顔を作ろうとしたんだけど。
私の上腕三頭筋などの腕や胸の筋肉が悲鳴をあげて、笑顔を作る為の筋肉である大頬骨筋などに伝えるはずの笑顔を作る為の命令を邪魔していたのだった。
結果、伝達障害が起こって引きつり笑顔を披露することになってしまった。
私は引きつり笑顔を披露してしまった恥ずかしさと、腕と顔の疲労により、うつ伏せのまま数秒間とは言え顔を上げることが出来なかった。
そんな床を見つめていた私の耳元から――
「ほらね? アイドルって大変なんだよー?」
そんな声が聞こえてきたのだった。
私は身に覚えのある経験を思い出して、顔だけを横に向けてお姉ちゃんを見ながら――
「それで? 今回は海未さんに教わった訳ね?」
「――えっ? 何でわかったの?」
これが海未さん発信だと気づいて問いただすと、かなり驚いていたのだった。
いやいや、お姉ちゃん? さすがに何十回も経験していれば気づくものですよ。
そう――
お姉ちゃんは海未さんとことりさん。とりあえず、この2人くらいだからマシなのかも知れないけれど。
どちらかに教えてもらったことを両親や私――あとは、自分に近しい人へ教えて回るのが癖らしい。
それも、自分が見つけたような口ぶりで言い始めながら、最後に思い出したかのように教えてくれた人の名前を出すんだよね? だから今回もそうなんだろうと考えた。
そして、今回のケースはどちらかと言えば体育会系――海未さん発信と考えるのが妥当な気がしただけ。
まぁ、その後経緯を聞き出して、この話は終わりなんだけど?
私はお姉ちゃんに隠れて笑顔の腕立て伏せを続けていたのだった。
だって――お姉ちゃんが出来るようになった時にさ?
「そう言えば、前に話した笑顔の腕立て伏せって出来るぅ?」
なんて言われた時に、私だけ出来なかったらシャクじゃん?
まぁ、受験勉強の息抜きにやっていただけだから、そこまで頑張ってはいないんだけど。ただ、私1人だけ疲れるのはイヤだったから亜里沙にも教えて道連れに。
――ち、違うの! 亜里沙だってスクールアイドルを目指しているんだから、互いに頑張っている姿を見た方が向上心に繋がると言うか
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