Track 1 両手を広げて
活動日誌2 あいしてる・ばんざーい! 2
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れすぎていたんじゃないかとも思う。
そう、技術とか見せ方とか――つまり、スポットライトに照らされている、その瞬間に輝くものを見ていたんだと思う。
だけど亜里沙は違う。
彼女は、そんな絵里さんを1番近くで見てきたんだ――そう、最初から。
それも純粋に、踊りの素晴らしさに魅せられていたんだと思う――常に、バレエと言う枠の外から。
だから亜里沙は純粋に――バレエが好きで、何かを伝えたくて。
想いを表現する為に踊り続ける絵里さんの内面を、スポットライトが消えたあとも見続けてきたんだと思う。
そして、そんな亜里沙だから――お姉ちゃん達の歌にとても感動を覚えたんだとも思う。お姉ちゃん達の歌に内面から溢れる想いを感じ取れたんだと思う。
そう、純粋に真っ直ぐに。お姉ちゃんの歌に込められた想いと言う名の可能性の欠片を。なんてね。
でも、それは亜里沙が凄いって話じゃなくて――そんな背中を見せてきた絵里さんの努力が凄いんだとも思える。
なんて、亜里沙に話したら怒るかな? それとも、悲しい顔をするのかな?
ううん、亜里沙だったら――とても嬉しそうに微笑むんだろうね?
そんな亜里沙が感じていたものを、私も近くで見続けてきたのに感じてこれなかった。
だけど、仕方ないじゃん? 亜里沙は絵里さんを見続けていたのだけれど、私が見続けてきたのはお姉ちゃんなんだもん!
見続けてきた対象がお姉ちゃんじゃ、亜里沙みたいな考え方なんて土台無理だもん! だって、お姉ちゃんだから。
でもね? その代わりに――私はお姉ちゃんを見続けてきたんだよ?
だから、その場で立ち尽くして踏み出せない誰かに気づいて――その人が見たことのない様な場所へ連れ出してあげる! そんな風に思える様になったんだよ?
絵里さん達の卒業間近。お姉ちゃん達は悩んで苦しんでいたんだと思う。
そして、希望と憧れを抱いていた亜里沙――私はそんな2人を見ていた。
とは言え、お姉ちゃん達の悩みはお姉ちゃん達で解決するものだ。それは、私が口出しすることでも、結果を急かせるものでもない――お姉ちゃん達が自分達のペースで納得のいく答えを出すものだから。
だけど、それでは亜里沙は先に進めない――仮に加入が出来たとしても、そこに彼女の居場所はないんだと思った。
そんな亜里沙を私は――その場で立ち尽くして踏み出せないように感じていた。
だから私は亜里沙を呼び出して、1つの提案を申し出たんだ。
「2人で私達のスクールアイドルを目指そう!」
って。
亜里沙は内面に溢れる想いを感じ取れる子だ。だから、私の想いを感じ取って了承してくれたんだ
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