Track 1 両手を広げて
活動日誌2 あいしてる・ばんざーい! 1
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る。
あくまでも私は外から全員を見てきているから――ステージの上を見上げている私達には見えていない彼女達の横顔。
同じステージに立つお姉ちゃんには彼女達の横顔が見えていた――そんな話なんだろう。
と言うことは、私が横顔を見続けてきたから何も感じないお姉ちゃんでも?
横顔が見えていない人達にとってはクールで格好良く見えている?
――ことはないか、やっぱり? お姉ちゃんだしね?
まぁ、お姉ちゃんのことはともかく、そんな横顔が見れた――真姫さんの可愛い部分が見れたのは私達もそのステージの裾までたどり着いたってことなのかな?
まだまだ、彼女達の立つセンターには相当な距離はあるんだろうけど。
そう思ったら、だんだんと心の中が暖かくなっていく感覚に包まれていた。
これからの時間の中で、私達はどれだけの彼女達の横顔を見ていけるのだろう。
そんなことを考えながら真姫さんの顔を見つめているのだった。
♪♪♪
「……ところで」
「……何?」
「……あっ、いえ……今って、私達がお邪魔していても良かったんですか?」
真姫さんがクールさを取り戻したのを見計らって、亜里沙が口を開いた。
――なんで亜里沙はこんなに空気が読めるんだろう? 私、全然考えてなかったよ、そんなこと。
真姫さんに言ったら「やっぱり姉妹ね?」って笑われるかな?
「大丈夫よ? 新しい曲を考えていて息詰まったから、少し気分転換していただけだしね?」
「――えっ? 新曲ですか!?」
真姫さんは私達を優しく見つめて、そう答えた。
亜里沙は真姫さんの新しい曲と言う単語に即座に食いついて、身を乗り出しながら聞き返していた。
まぁ、亜里沙は、ねぇ? 私以上に μ's が大好きだから、ね?
そんな彼女達の新曲なら胸が躍らない訳もなく――
「……い、いや、あのね?」
「――はいっ!」
真姫さんは亜里沙の嬉々とした羨望の眼差しに半歩ほど後ずさりしながら――
「期待させて申し訳ないんだけど、特に曲を出す予定はないわよ?」
そう、申し訳なさそうに亜里沙に伝えるのだった。
「……そうなんですか?」
真姫さんの答えを聞いた亜里沙は、とても悲しい顔をして真姫さんに聞き返すのだった。
はっきり言って、亜里沙のこの表情は反則だと思う――だって、あんな顔されたら悪いことしていなくても罪悪感にかられちゃうから。
そんな話を以前、海未さんに話した時――
「確かにそうですね? まぁ、あの時は私が悪かったのですが……どうにもならない罪悪感を感じてしまいました。ことりに通じる何かを持っ
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