無印編
ジュエルシードを求めて
少女との出会い
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匹増えたくらい。ね、父さん、母さん」
「まあ、確かに。なのはもちゃんと世話するって言ってるしな」
「そうね。……狐って何食べるのかしら?やっぱり油揚げ?」
何故か絶賛大好評だった。そしてこちらが多勢と見るや、姉上はひらりと鞍替えした。
俺は今、高町なのは嬢の母上――桃子さんの膝の上に乗せられ、父上――士郎さんに頭をグリグリと撫でられ、姉上――美由希さんに喉をゴロゴロされている。
『……昨日もこうだったのか?』
『まあ、ね』
『にゃはは……ごめんね、キーラ君』
たった1人、俺を(敵意は無いが)好奇の視線で見ていない兄上――恭也さん、貴方こそが常識です。だからそんな「俺が、おかしいのか……?」みたいな顔で思い詰めないで頂きたい。
(……それにしても)
似ている。彼女――俺のかつての『主』、俺が何千年と生き永らえ、戦い続ける理由となった少女に高町なのは嬢は本当にそっくりだ。あの頃着ていたドレスを着ればもう大差ない。姿だけでなく、仕草や表情、匂いまで……全てが懐かしい。
胸が痛い。直接心臓を握られているような―――内側から来る激しい痛みは何なのだろうか。
『キーラ君……?』
『!?……どうした?』
『えと……何となく辛そうという、悲しそう?だったから……そろそろ助けた方が良いかなって』
『いや……気にしなくていい。助けて欲しいのはそうだが』
なのは嬢が家族に注意して俺を抱き上げる。ユーノを肩に俺を胸に抱きながら階段を昇ってなのは嬢の私室に入れてもらう。
「まずは僕から話すよ。なのは、彼は僕の友人で名前はキーラ。僕が小さい頃から面倒を見てくれてたから……友人より兄弟とか親子みたいな感じかな」
「へー。キーラ君の方がずっと歳上なんだね」
「それは……えと、良いかな?」
「別に隠す事でも無いだろ。……俺は物凄ーく歳上だよ。君の曾お爺さんよりさらに、ね」
「ふぇ!?」
驚くのも無理もない。特に証拠は無いが事実だ。
「ど、どのくらい……?」
と恐る恐る訊ねるなのは嬢に肩を竦めて教える。子狐がやると中々シュールだ。
「7600と……半世紀ぐらいか。端数は覚えてない」
「ななせん……」
「まあ、気にしなくて良いよ。普通に話して貰って構わない」
小さい子は年齢差を気にしないヤツが多いが、ご両親やこの子自身を見る限りそこら辺の教育をキチンとしているようだ。だが、俺自身はそういう事をあまり気にしない為、気にされない方が良い。
「さてユー坊、俺はどうすればいい?本当なら俺がジュエルシード探しと封印をやってしまっても良いんだが」
ユーノが俺をここに呼んだ本来の理由はそれだ。だが、一時的に力を借りるだけのはずだったこの高町なのは嬢が思いの外協力的だったた
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