無印編
ジュエルシードを求めて
少女との出会い
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「……今は、いいか」
頭の中に蘇った今は亡き懐かしき姿を隅にやり、体内で魔力を加圧していく。魔法を使うまでも無い。たかがAAAクラスの暴走体ごときに魔法は高すぎる。十分に加圧した魔力の塊に物理属性を与え、球体にまとめるとそれを射出。怪物の鼻面に当たったそれは頭を丸ごと消し飛ばした。
「―――ッッッ!!」
別に口から声を出さなくても良かろうに律儀に無言でのたうち回る怪物。もうひとつ魔力塊を作り出すと放つ、作る、放つ、作る、放つ。再生しようとするそばから破壊の塊が暴走体を穿っていく。比例して怪物の魔力も減っていき、体の大きさも俺より少し大きい程度になった。そして、後ろでユー坊が合図、あの子が封印魔法を発動する。ピンク色の魔力光が暴走体に突き刺さり、ジュエルシードを封印した。
(……魔力光まで)
何から何まで似ているあの子と彼女。複雑な感情が意識を支配する。
「ユー坊」
「キーラ、助かったよ」
緊張の糸が切れたのか、魔力の消耗か座り込んでいる女の子とユー坊に近づいていく。取り合えず湧き上がる気持ちを抑え込み、声をかけた。
「大丈夫?怪我は?」
「えと……大丈夫、です」
「うん、良かった。さて、取り合えずここから離れよう。騒ぎになるからね」
「う、うん」
立てないようなら、人間体になって担ごうと思ったが、どうやら大丈夫なようだった。
「……なのは、昨日の今日で流石に……」
「えと……やっぱりダメかな?」
「うーん……」
まあ、それは無茶だろう。昨日はユー坊を拾い、今日は俺を拾った高町なのは嬢。昨日は味方してくれたらしい姉上さんも難しい顔をしていらっしゃる。
『あー……。別に外で良いよ?念話でも話せるし、魔法で雨風も凌げる』
と言うか最初からそのつもりだった。むしろ弱ってるとはいえ同じ年頃の少女と同じ屋根の下で暮らしているユー坊の勇者ぶりに驚きだ。
『でも、ユーノ君のお友達だし……助けて貰ったし』
『……別に気にしなくて良いけど』
現状確認。俺は今、現地協力者の高町なのは嬢の家に居候出来るか否かの瀬戸際だ。
子狐姿の俺の設定は昨日、ユーノを預けていた動物病院に同じく保護されていた。原因不明の事故により一部崩壊した(ジュエルシードの仕業)動物病院では保護する余裕が無いので暫くの間預かれないかというもの(作:俺)。
(我ながら無茶な理由付けだな……)
で、姉上だけでは判断できないという事でなのは嬢のご両親及び兄上の審判は……
「かっわい〜♪ほら士郎さん、この子の毛すごく柔らかいわよ」
「おぉ〜、いいなコレ。ほら、恭也も」
「……父さん、今はそんな話をしてるんじゃなくて」
「良いじゃないの恭ちゃん。一
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