無印編
ジュエルシードを求めて
少女との出会い
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波が起こった。
「ロストロギア、ジュエルシード、ね……」
幾千年の記憶を手繰っても特に関わった覚えは無い、初遭遇の遺物だ。俺が旅をしている本来の目的とは違うが……まあ、たまには寄り道も良いだろう。
その場で伸びをして、人間体にしようかこのままで行こうか迷う。
「ヘタに警戒されても面倒か……」
広域に張ったままだったサーチャーを魔力反応があった方角に絞り、詳しい位置を特定するとそこに向かって走り出した。
そして、
「なのは、レジングハートの起動を!」
「ふぇ!?起動って何だっけ!?」
「『我、使命を〜』から始まる起動パスワード!」
「えぇっ!?あんな長いの覚えてないよ!!」
「え……!?も、もう一回言うから、繰り返して!」
「わ、わかった!」
(…………何やってんだ)
俺が駆けつけた時にちょうど現れたユー坊と『なのは』と呼ばれた現地の少女―――高位の魔法資質を持った協力者の子だろう。相対するのは動物を取り込んだジュエルシード、黒い四足歩行の獣だ。
(……やれやれ、不完全だが大きな力を持っているものほど面倒なものは無いな)
暴走体に内在する魔力は発動後も安定していない。このままでは手がつけられなくなる可能性がある。
「今回だけだぞ、ユー坊」
まだ一人前とは言い難いお前を助けてやる。
ジュエルシードの暴走体がノイズのような咆哮を上げる。目から赤い光を迸らせ、迫ってくる。
「っ……レイジングハート、お願いっ!!」
【All right. Barrierjacket Set up】
間一髪で変身が完了し、自動設定されている防御魔法で襲いかかってきた暴走体を弾いた。
「うそ……パスワード無しで変身した!?」
なんかよく分からないけどユーノ君が驚いている。きっとレイジングハートが応えてくれたんだ。
「ありがとう、レイジングハート」
【 Don't worry…… Alert!! Enemy is intensified!!】
「「…………っ!?」」
レイジングハートの警告の直後、目の前の獣に変化があった。バキ、バキ……という音と共に体が膨れ上がり、背に翼が生えてくる。爪も神社の石畳を抉るほど伸び、大きな穴が空いた。
「まずい!!この魔力……AAAクラス!?」
「それって……!?」
「大体なのはと同じぐらい……いや、まだ上がっている!?」
体高2mほどだった体躯は5m以上になり、爪一本は自分の体ほどの太さとなっている。
「ユーノ君、どうすれば!?」
「くそ、もっと速くキーラに連絡しておけば……取り合えず一旦引かないと、攻撃魔法で弱らせないと
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