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魔法少女リリカルなのは 永久-とわ-の約束
無印編
ジュエルシードを求めて
少女との出会い
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いうこともあって、俺は食客という立場でありながら真面目に仕事をせず、のんびりと寛いでいた。主人である王子もそれで構わないというのだから、良いのだ。

「こんな所にいたのですか。寒くはありませんか、キーラ」

 そんな俺を咎める訳でもなく、姿を認めるなり人懐っこそうに近寄って来たのはシュトゥラへ留学中の隣国王女、オリヴィエ・ゼーゲブレヒトだ。

「……今は温暖期だろう」
「今日は曇りです。温暖期と言ってもまだまだ寒い時期ですよ」
「構わない、頑丈な身だしな……そんな事より、人質が自由に出歩いて良いのか、オリヴィエ」

 聖王家と呼ばれる一族の特徴である右目が緑で左目が赤の 虹彩異色オッドアイを何やら面白そうに細めると、オリヴィエは後ろを振り返った。

「クラウス、人質はちゃんと見張っていないとダメだそうです」
「ちゃんと見てますよ。それにオリヴィエは人質ではなく、留学生です」
「……はぁ」

 やって来たのはまだ幼さが残る青年。ここシュトゥラ王国の第一王子、クラウス・G・S・イングヴァルト、俺の主人その人だ。碧銀の髪に右目が紫で左目が青の 虹彩異色オッドアイは王族たる証。
 まあ、居候たる俺にはオリヴィエが逃げようが関係の無い話だが。

「散歩だろ。俺に構わず何処へとなり行ってくれ」

 正直この2人の間にいると精神的にゴリゴリ来るものがある。嫌な訳ではないが、人前でいちゃつくのは遠慮して欲しい。
 周囲からはお前らもう結婚しろよ的な視線を向けられてもどこ吹く風。クラウスは自分の恋心にまだ気づいてないし、オリヴィエはそんな彼の心情を見抜きつつ、ノーアクション。
 それでいて仲睦まじいのだから勘弁して欲しい。

「まあそう言うな。せっかく誘いに来たのだから」
「そうですよ。ほら立って下さい。行きますよ、キーラ」

 曇り空の下を散歩して楽しいのだろうか。疑わしげに2人を見上げると、丁度それが聞こえてきた。

『居たか!?』『いや、こちらにもいらっしゃらない!』『くっ……向こうだ、探せ!』

「…………おい」
「まあ、何だ……その……」

 色々突っ込みたい事はあったが、不毛な言い争いをしている場合ではない。3人して仕事を放り出しているのが露見すれば、小煩い宰相辺りからまた鉄槌が落ちる。
 立ち上がって土埃を払うと、盛大にため息を吐く。曇天の空はそんな俺の内心を映しているかのようだった。





 しかし、こんな安らかなひと時もすぐに終わってしまう。





 場面が変わる。何時の時代も終焉が近付くと目にする光景。古い秩序が壊れ、時代が新たな支配者を受け入れる、破壊と創造の光景……
 見慣れた光景を俺は何の感慨も無しに見渡していた。

「……っ……な、ぜ……頼
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