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Track 1 両手を広げて
活動日誌1 スタート・ダッシュ! 1
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のお姉ちゃん《・・・・・・・・・》として。 
 そう、これが――私の望む、最高のお祝いなんだよ? なんてね。

 お姉ちゃんは私の申し出に何やら気づいた素振(そぶ)りを見せて(こころよ)承諾(しょうだく)すると、着替えてくる様に(うなが)した。
 私の望みが理解できたの?
 少し恥ずかしさがこみ上げてきて、曖昧(あいまい)に答えて足早に自分の部屋へ走っていったのだった。

♪♪♪

 そんな風に――
 私は感じていたから嬉しくもあり、恥ずかしくもあったって言うのにさ?
 それこそさ? 一緒に走っている間中(あいだじゅう)なんて、お姉ちゃんの顔がマトモに見れないほどだったのに!

 一緒に走っていった先。
 お姉ちゃん達がいつもトレーニングしている神社に通じる長い坂の階段道。
 そこを上り切ったところで、先を走っていたお姉ちゃんが突然振り返りながら――

「……それで、雪穂は何が食べたいの?」

 って、聞いてきたのだった。
 それこそ挨拶をする感覚で、自然かつ唐突に繰り出された言葉。お姉ちゃん(いわ)く、私の願いらしい問いに思考が追いついていかず――

「……ほえ?」

 我ながら情けない疑問の声を発していた。
 ――のに! 何故か、お姉ちゃんは――

「……ほえ? ……ほえって何処で売ってるかなー? と言うか、どんなお菓子だろ?」
「いやいやいや! そうじゃないでしょ? ――なんで、私が何か食べたいって話になってるのよ?」
「……え? だって、その為に一緒に走りにきたんでしょ?」
「…………」

 真剣に悩みながら、更に話を進めようとしていた。
 私は一先(ひとま)ず自分の言い間違いは置いといて、話の真相を聞くことにしたのだった。
 
 どうやら、お姉ちゃんは――
 私が一緒に走りにきたのは、何処かで(おご)ってもらう為だと思っていたらしい。
 まぁ、確かに? 私が着替えて戻ってきたとき、やたらとお姉ちゃんウキウキしていたし。私が玄関を出ると、いきなり私のことはお構いなしに突っ走って行っちゃったし。食べ物屋さんの前を通る度に横向いていたし。
 なんか変だとは思っていたんだけど――あれ、ちょっと待って?
 と言うか、アレでしょ? 私をダシに、自分がお菓子や食べ物を買って食べたいから承諾したんでしょ?
 だって、私に買うだけならあんな行動は不自然だもん。
 まったく――お姉ちゃんがそんな考えだなんて知らずに1人で勝手にドキドキしていたなんて。なんか私がバカみたいじゃん!

 まぁ、これも私の望んだお祝いのカタチって言えば、間違ってはいないんだけどね?
 少し想像していたのとは違ったけど、コレが私達――高坂姉妹の普段の飾らない日常会話。会話の内容が
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