Track 1 両手を広げて
活動日誌1 スタート・ダッシュ! 1
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
のお姉ちゃん《・・・・・・・・・》として。
そう、これが――私の望む、最高のお祝いなんだよ? なんてね。
お姉ちゃんは私の申し出に何やら気づいた素振りを見せて快く承諾すると、着替えてくる様に促した。
私の望みが理解できたの?
少し恥ずかしさがこみ上げてきて、曖昧に答えて足早に自分の部屋へ走っていったのだった。
♪♪♪
そんな風に――
私は感じていたから嬉しくもあり、恥ずかしくもあったって言うのにさ?
それこそさ? 一緒に走っている間中なんて、お姉ちゃんの顔がマトモに見れないほどだったのに!
一緒に走っていった先。
お姉ちゃん達がいつもトレーニングしている神社に通じる長い坂の階段道。
そこを上り切ったところで、先を走っていたお姉ちゃんが突然振り返りながら――
「……それで、雪穂は何が食べたいの?」
って、聞いてきたのだった。
それこそ挨拶をする感覚で、自然かつ唐突に繰り出された言葉。お姉ちゃん曰く、私の願いらしい問いに思考が追いついていかず――
「……ほえ?」
我ながら情けない疑問の声を発していた。
――のに! 何故か、お姉ちゃんは――
「……ほえ? ……ほえって何処で売ってるかなー? と言うか、どんなお菓子だろ?」
「いやいやいや! そうじゃないでしょ? ――なんで、私が何か食べたいって話になってるのよ?」
「……え? だって、その為に一緒に走りにきたんでしょ?」
「…………」
真剣に悩みながら、更に話を進めようとしていた。
私は一先ず自分の言い間違いは置いといて、話の真相を聞くことにしたのだった。
どうやら、お姉ちゃんは――
私が一緒に走りにきたのは、何処かで奢ってもらう為だと思っていたらしい。
まぁ、確かに? 私が着替えて戻ってきたとき、やたらとお姉ちゃんウキウキしていたし。私が玄関を出ると、いきなり私のことはお構いなしに突っ走って行っちゃったし。食べ物屋さんの前を通る度に横向いていたし。
なんか変だとは思っていたんだけど――あれ、ちょっと待って?
と言うか、アレでしょ? 私をダシに、自分がお菓子や食べ物を買って食べたいから承諾したんでしょ?
だって、私に買うだけならあんな行動は不自然だもん。
まったく――お姉ちゃんがそんな考えだなんて知らずに1人で勝手にドキドキしていたなんて。なんか私がバカみたいじゃん!
まぁ、これも私の望んだお祝いのカタチって言えば、間違ってはいないんだけどね?
少し想像していたのとは違ったけど、コレが私達――高坂姉妹の普段の飾らない日常会話。会話の内容が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ