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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
帰郷-リターンマイカントゥリー-part3/慈愛の勇者と
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て、同じ星で一緒に生きてるんだから」
「ええ。そうね」
アヤノの気持ちもムサシは理解している。夢を叶えたムサシ自身、この現実が夢のようにも思えてならない。だがこれは決して夢なんかじゃないし、そんなもので終わってほしいものじゃない。現実で叶えてこその理想なのだから。
「あ、ムサシ、ソラ!リドリアスもこっちに来たよ!」
アヤノが、視線の先の空から、巨大な鳥型の怪獣が鳴きながらムサシたちの下に近づいてきた。
『友好巨鳥リドリアス』。ムサシたちの手で保護された怪獣たちの中で、特にムサシに懐いている、心優しき怪鳥である。リドリアスには、カオスヘッダーとの戦いの時期以降から、自分たちも何度も助けられたことがあった。彼はピグモンのように、人類にも敵意はなく、寧ろ最初から好意的に接してきてくれる珍しい怪獣なのだ。

しかし、三人が一度ジュラン内に建てたマイホームのリビングに戻った後、アヤノはテーブル越しに夫と向き合いながら、彼に話しかけてきた。
「そういえばムサシ、聞いた?」
「聞いたって、何を?」
「まだ地球に残っている怪獣たちの話」
「あぁ、怪獣たちも全てをこの星に運べるわけじゃない。怪獣たちも住み慣れた場所から離れたくない子もいるだろうし…」
「ムサシ、私が言いたいのはそのことじゃないの」
「え?」
てっきり、地球での住処から離れたがらない怪獣たちのことをどう片付けるかの問題のことを言っているのかと思っていたがそうではなかった。
「まだ地球に残っている怪獣の中で、時々住処からいなくなったきり、戻ってこないって話。知らない?」
「あぁ、その話か。それなら僕もフブキさんたちから話は聞いてるよ。SRC本部の調査隊や、EYESでも探してるみたいだけど、いずれも進展がないって聞いてる…」
怪獣たちの身に何かあったのか?そんな風にしか思えないことを妻から聞いたムサシが無視などできるはずもない。言葉をつづるうちに、ムサシの表情に影が差し始める。
「その、いなくなった怪獣たちが別の住処に移動したという情報もないの?」
「そういった話もなかったよ。行方不明になった場所から忽然とね。一体何があったんだ…みんな」
「ムサシ…」
今のムサシの顔を見て、アヤノも辛そうな表情を浮かべる。何度もあの苦悩に満ちた顔を見続けてきたが、やはり慣れるものじゃない。
すると、外で遊んでいた息子のソラが二人の下に走ってきた。
「お父さん!大変だ!」
「ん?どうした?」
「なんか、変な人がいきなり僕の前に…」
妙に慌てた様子の息子に、ムサシは何かあったのかを尋ねると同時に、突如彼らの間に白い煙かボン!と立ち上った。
「下がって!」
ムサシはアヤノとソラを下がらせ、白い煙に警戒する。白い煙は、やがてシルクハットと紳士服を着た白い服の男の姿となった。
「やれ
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