帰郷-リターンマイカントゥリー-part3/慈愛の勇者と
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ら公爵も、おそらく渋々ながらだが、ムサシの滞在を許しているという。
実際、ムサシはこの屋敷に来てから、屋敷の人たち全員によくしてくれているとカトレアはそうとも語った。
それ以前に、昔からカトレアは勘が鋭く、人の感情を見抜く力も凄い。この屋敷で暮らしている皆もよく知っていることで、カトレアがそう思うのなら信じようとする者が大半であった。
自分が何を考えているのかも手に取るように見抜かれてしまうのだ。そう、ルイズのようなわかりやすい性格の子については特に。
「最も、あなたが一番仲良くしたいのは、一緒に来たあの使い魔さんかしら?」
それを聞いて、ルイズの顔が一瞬で赤くなった。
「ち、ちちちち違うもん!そんなことないもん!!」
「隠したって駄目。わかるもの、あなたがあの子のことを…」
「そ、そそそそんなんじゃないもん!本当になんでもないもん!!」
顔を赤くしながらも、必死に否定して誤魔化そうとするが、この時点で完全に無駄な足掻きであった。
そのムサシとサイトはというと…
消灯時間が訪れて明かりが消え、代わりに外の月の光を明かり代わりに、二人はムサシの部屋にいた。
「やはり春野さん…あなたは…」
互いに向きあいながら、サイトはムサシに尋ねる。
「ああ、そのとおりだよサイト君。僕の中には君と同じように、いるんだ。
『ウルトラマン』がね」
「!」
サイトは目を見開いた。やはりそうか。この人も俺と同じ…『ウルトラマン』!
また新たな異次元のウルトラマンとこうして出会うことになろうとは。
ムサシは青いジャケットから、一本のスティックを取り出してサイトに見せた。すると、サイトたちの頭にムサシとは別の誰かの声が聞こえてきた。
『初めまして。私の名は、ウルトラマンコスモス』
「コスモス…」
それが、ムサシと一心同体となっているウルトラマンの名前か。
『なら、俺も自己紹介しないとな。俺はゼロ、ウルトラマンゼロだ』
「ゼロ、か。いい名前だ。よろしくね」
ムサシは純粋に誉めているのだろうが、もしルイズが聞いたら目くじらを立てるだろう。何せ彼女にとって『ゼロ』は不名誉な二つ名なのだから。いろんな意味でここに彼女がいないのが幸いだ。
「それで、君たちが僕たちに聞きたいことは何かな?」
「春野さんたちは、どうしてこの世界に来たんですか?」
異次元の地球の人間とウルトラマンは、本来この世界に来るはずのない存在だ。それがこうして自分たちの前に姿を現している。何か重大な理由があるはずだ。
ムサシは一度目を閉ざしてから目を開けると、自分たちがこの世界に来た理由を明かした。
「君たちには、さっきジュランのことを話したよね?」
「はい。春野さんの世界の怪獣や人類か一緒に生きてる星なんですよね」
「その星から怪獣たちが盗まれた
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