帰郷-リターンマイカントゥリー-part3/慈愛の勇者と
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、ルイズがカトレアに向けて口を開いた。
「それにしても、ちい姉さまって…本当になんでも引き取るのね。怪獣にも懐かれるなんて…確か、ピグモン…だったかしら」
「私も最初はびっくりしたわ。ハルケギニアでは見られない子だったから。でも、なんとなくあの子が悪い子じゃないってわかったし、ムサシさんのおかげもあって、この子達と同じように住んでいるのよ」
寝る前にルイズの髪をとかしてあげながら、カトレアはルイズに、ピグモンのことを話し始めていた。
「でも、ちい姉さま。あのムサシって人、何者なの?」
なんとなく、ルイズもムサシがただの人には思えなかった。どことなく、サイトやシュウ、ハルナと似た何かを感じた。同じ地球人特有の波長のような者が、ハルケギニア人である自分とは違うのを感じているからなのか。
「そうね…私も、あの人のことはまだよく知らないわ。ある日、ピグモンが森の中で迷い込んだところを見つけてくれたの」
「え?」
カトレアはそう告げるが、ルイズは目を丸くする森の中でたまたまであっただけで、よく知らないのに、この屋敷に住まわせてあげてるのか?と疑問を抱いた。
「ただ、彼もヴァリエール領内で迷い込んでたみたい。困っているみたいだし、お礼もしてあげたかったから、ちょっと無理を言ってお母様たちに許可をもらって、しばらくの間ここに泊めてあげてることにしたのよ。
なんだか変わっている人だけど、でも悪い人じゃないわ。とても動物や自然が好きで、とても優しい人なのよ」
「はぁ…」
そんな薄い予想でここに彼を滞在させているカトレアは少々無用心に思える。
しかし、カトレアは次に驚くべきことをルイズに継げた。
「実はね…ムサシさんが来てからずいぶん体調がいいのよ。国中のお医者様に診てもらってどうにもならなかった病気なのに。今じゃ健康体だって、最後に見てくれたお医者様から言われたわ」
「ええ!!?」
ルイズは真夜中なのに思わず声を上げてしまう。
実を言うと、カトレアは昔から持病を患っていたのだ。それも原因不明の重い病。体のどこかが突然悪くなってしまい、魔法や薬で抑えようとしても、今度は別の箇所が悪くなってしまう。咳き込む姿も度々見られるのだ。そんな彼女を哀れんだ父ヴァリエール公爵は、彼女には別の領地『フォンティーヌ領』を与えるなどの措置をしている。皮肉なことにその病が、ルイズやエレオノールのようなヴァリエールの女性が持つ勝気さと気の強さに満ちた性格を持たない、儚げで優しく穏やかな性格に育ったのかもしれない。
「もしかしたら、彼はお医者様だったりするのかしらね。本当に不思議な人よ。あなたもきっと仲良くなれるわ」
だが、そんな姉の病がまるで嘘のように、カトレアは元気になっている。おそらく、カトレアの病に関してムサシが何かしらの関与をしていたのかもしれない。だか
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