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東方喪戦苦〜堕罪編〜
〜新十幕〜絡み始めた糸

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獄王との接触後、我が家へと飛ばされた俺はすぐに八千代やエイジスに事情を説明した。
それから数日間、毎晩のように体に想像も絶する様な痛みに苦しめられた。
生きた人間が地獄に行った副作用が少し弱まってきたときの事だった。
俺は、何時ものようにある男と情報収集のために人里を歩き回っていた。

「やっぱり、5年も前の事なんて誰も覚えてねぇか…」

そうため息混じりの声で呟く

風「そうだな、でも取り敢えず確かな情報収集源はあるんだろ?それの準備が終わるまでぼーっとしてる訳にもいかねぇだろ?」

そう俺に言ったのは瀬賀 風鈴、彼は2年前に知り合って、今では親友として、色々な事件解決に協力して貰っている。
そんな風鈴も、能力者である。彼の能力は『速さを司る程度の能力』そう、彼の能力は新型と呼ばれる『何かに逸脱した能力』である。
彼の速さは尋常ではなく、散弾銃の弾を全て摘まむ事が可能で、さらに瞬きする間に4〜5発のパンチを繰り出す事も可能なほどのスピードを持っている。
彼曰く、「これでもかなりのリミッターをかけてるんだぜ?」だそうだ。フルスピードを出すと、体が追い付けず、身体がズタズタになったり、引き裂かれたりするらしい

風「そうだ、そう言えばエイジスの研究員の話はどうなったんだ?」

「あぁ、暫くは保留になりそうだな。祐海が出てきてしまったんだ、優先すべきはこっちだろうな」

風「ふ〜ん、俺はそっちも調べた方が言いと思うけどなぁ〜」

そう言って、風鈴は渋い顔をする。

「何故?」

俺の質問に、風鈴は呆れ気味に答えた

風「何故ってそりゃ、そいつは人為的に能力者を作れる資料を持って逃走してるわけだろ?となると、今まさにこうしてる間にも能力者が増えているかもしれねぇ、能力を得た人間は、好き勝手に暴れまくるか、そいつの配下に付くかしている筈だ。それにその研究員は祐海がエイジスにいた頃の部下だった訳だ、となると、そいつが祐海の思想に共感していたり、或いは祐海の様にオーダーとエイジスをやっていた可能性もあるだろう?」

確かにその通りだった。
奴が逃亡して約半年、エイジスが動いてもここまで見つからない、その知能と警戒心を祐海が見落とす筈がない。
彼が祐海と何らかの関係があったという可能性は少なくはない。
それに、今現在、祐海で手一杯なのに、そこらかしこで能力者が出てこられたら、堪ったもんじゃない

「そうだな…一応エイジスの奴らに報告する前に、俺らで下調べでもしておくか!」

風「了解、相棒!」


ーTo be continuedー



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