第1章 第4話 忌み子は忌み子
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かった。
「僕は…僕のままです。ただ殺されたのも事実です」
「………」
「僕には怨霊が取り憑くという恩恵が与えられています。それに気づいたのが、鬼の殆どが壊滅したあの日です。死体をこの目で見るとそれに憑いてる怨霊が僕に憑き今取り憑いている怨霊の数を発するんです。そして僕が死ねば怨霊が変わりに死ぬという流れです。今現在怨霊の数は84、上限は無いと思います」
「………」
その説明に誰しもが言葉を失う。全員、見えているのだルイスの後ろにはっきりとは見えないが、黒い靄のようなものが大量にオーラのように漂っているのを……
特にマリーは肩を抱き小さく震えている。
「(あぁ…本当に…かっこいいよぉ〜…)」
でもそれは恐怖ではなく興奮し自分の理性を抑えようとしているものだというのはまだ、誰も知りはしない。
「…申し訳……ありません」
「どうして謝る?」
尚も変わらぬ視線でルイスを見るカルロスが、少しだけ怪訝そうな表情で見やる。
「屋敷に…エグルさんやクリスに迷惑をかけたのは僕の責任です。僕が…ここにいることで迷惑をかけてしまいます。本当に…申し訳ありません」
「ルイス」
「僕が居れば確実にここには災厄が来ます。鬼の一族がそうだったように…この屋敷にも!」
「話を聞きなさい」
「でも!」
「いいから」
ルイスが興奮し、声を荒げようとカルロスは諭すよう優しく落ち着いて声をかける。
「……ぅ」
「少し落ち着くんだ。誰も君を責めないし、君を追い出したりしない」
「でも…僕は忌み子で……だから村にも…」
「君が今までどんな扱いを受けてたとかは私にはわからないし、みんなにもわからない。でも、君だってここにいるみんながどんな扱いを受けてたかだってわからないだろ?」
「え…」
「まずはエグル、エグルは10年以上も前に家族を魔獣に殺された。エグル自身も重症を負って何ヶ月も療養して傷は完治したが精神までは閉ざされた。一時は自殺まで考えていた、歳も歳だから雇う所も少ないだろうからね。そんな時に私はエグルに出会って私が雇った」
「エグルさん…」
その話を聞きルイスはエグルの方へと目を向ける。エグルはルイスと目が合うとゆっくりとその話を肯定するように頷く。
「次にメドニカル姉弟とマリーだけど、3人とも同じような境遇なんだ。3人とも親に捨てられた。理由はそれぞれだ、メドニカル姉弟の方は少し逃げてきたような要素も含まれるが生活維持の問題と父親からの虐待。マリーの方は…服で隠れてはいるが体のいたるところに原因不明の痣がある。医者に聞いてもわからないけど命には別状はない、と判断されたのが私の屋敷で働いてからだ。つまり、その痣を不気味に感じて捨てたよ
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