354部分:第四十八話 幻影の罠その六
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第四十八話 幻影の罠その六
「俺達が相手してやるよ」
「精々頑張ってくれよ」
「待て」
しかしカミュは。その彼等に対してこう告げた。その動きを止めたのであった。
「御前達は今回は動く必要はない」
「動くなって」
「じゃあカミュ様が戦われるっていうんですか?」
「そうだ」
そしてその通りだと答えてみせたのだった。
「私が戦う。言い出したのだからな」
「けれど何も雑兵程度に」
「黄金聖闘士ともあろう方が」
「構わない」
それもいいというのだった。
「私は相手が誰であろうともだ」
「戦われるんですね」
「そういうことですね」
「そうだ。だから動くな」
また彼等にこう告げるのだった。
「いいな」
「わかりました。それじゃあ」
「ここはカミュ様にお任せします」
黄金聖闘士であるカミュに言われてはこう答えるしかなかった。彼等はこれで今回は引き下がることにしたのだった。そのうえでカミュを見守ることにした。
それは青銅の者達だけではなかった。白銀の二人も同じだった。
「ではカミュ様」
「ここはお任せ致します」
「うむ」
彼等に対しても言葉を返すカミュであった。
「それでは。やらせてもらう」
「御健闘を御祈りします」
「それでは」
こうしてインプ達に対するカミュだった。完全に包囲している彼等は余裕綽々といった態度でその彼に対して告げるのであった。
「じゃあよ、アクエリアスよ」
「覚悟はいいな」
勝利を確信していた。そこに下卑たものも含ませた声だった。
「貴様を倒せばそれでよ」
「俺達の株もあがるってもんだ」
「その首。貰うぜ」
「私の首、貰いたくばだ」
カミュは一歩前に出た。すると。
不意にその身体が黄金色に輝いた。その黄金の光はまさにこの雪の大地を照らす太陽の如くだった。
「な、何だこの光は!?」
「太陽だっていうのかよ!」
「いや、違う」
インプ達は思わずその光から目を遮らせた。しかしその余りにも眩い光がすぐに太陽のものではないということを知ったのだった。
「この光は聖衣だ」
「聖衣!?ならば」
「ああ、間違いない」
光は次第に弱まってきた。そして見られる時が戻ってから。彼等は見たのだった。
黄金聖衣にマントをまとったカミュを。黄金聖闘士の正装に身を包んだ彼こそがまさに。全ての聖闘士達の頂点に立つ黄金聖闘士であった。
「アクエリアスのカミュか」
「それが貴様の戦う姿か」
「そうだ。このアクエリアスの黄金聖衣をまとったからにはだ」
「どうだというんだ?」
「我等に勝てるとでもいうのか」
「その通りだ」
まさにその通りだと返すカミュだった。
「御前達に負けることはない」
「何度も言うがそれを見せてもらおう」
「その黄金
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