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おたく☆まっしぐら 2016年の秋葉原
タイムトラベラー 宮園 萩音
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いですね」
ユーフェミア「それはどういう意味や?」
萩音「全世界に千人程度いたことは人類の統合データに保管されております、すいません」
明「おい、この世界では現実的なこと以外はありえないんじゃないのか?」
萩音「血を吸う習慣のある吸血症という言葉が出来て、あるウイルスが原因ということが判明し、数十年後にワクチンができます」
ユーフェミア「それじゃ……アタシの存在って……」
萩音「ある意味、稀有な難病という感じでしょうか。すいません」
少しどんよりとした様子で彼女はコーラを飲み始める。相当落ち込んでいるようだ。
明「未来から来たというがいつ頃から来たんだ?」
萩音「2085年の夏からですね。妹はほんの少し昔の世界に行きましたが」
どうやら妹がいるようだが、そんな雰囲気は感じない。
明「で、どうやったら俺の居た世界がなくなったって分かるんだ?」
萩音「観てもらったほうが早いですね。映像展開。個別 本郷明」
薄暗いワンルームの一室。
瞬時にして半透明のフィルムでも張られたかのように映像が流される。
そこには秋葉原で数多くの経験が映像として現される。確かに本郷の姿であった。
萩音「2006年の9月29日。これが変動要因となりました」
明「それはなぜだ?」
一呼吸おく。その時間は少し長く感じられた。
萩音「こちらでのあなたはゲームの中の存在だからです」
飲み干したコーラを置き、宮園は本郷の目をじっとみた。
明「俺がゲームの中の住人ということか?」
萩音「はい。ただ、何らかの要因でこちらに飛ばされてきたということは確認できたのですが、その原因は分からないのです」
明「じゃあ、俺はどうしたらいいんだ?」
萩音「このままこの世界で過ごしていてください。わたしたちもまったく分からないので。すいません」
明「結構アバウトだな?!」
萩音「ただ、どちらにせよ。あなたの存在が私達の世界を大きく変える力を持っていると私の組織の上のお方たちが判断しているので」
明「……そうか」
萩音「この辺りで暮らしていますので、またご連絡いただければ。はい」
本郷のスマホが振るえ、彼女のアドレスが表示される。
萩音「この時代の原始的なプログラムとネットワークであればコレくらいはたやすいのです。すいません」
にこりと笑うと彼女は部屋から出て行った。
明「なんというか話し口調から察することができないほど優秀なやつなのかもしれないな……」
本郷はコーラを飲み干す。
落ち込んだユーフェミアは胡坐をかく明に抱きついてくる。股間に彼女の吐息がかかるが、彼は漢だ。
いけない気持ちにはならない。
ユーフェミア「……明、アタシは特別じゃないのかな」
明「今は吸血鬼だろ。堂々としていろ。ただの中二病ではないんだから」
本郷は彼女の髪を撫で続ける
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