Track 1 両手を広げて
活動日誌0 ミュージック・スタート! 1
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で、同じように苦しんで。
そして――
同じように喜びを分かち合い、一緒に笑い合える。
ユニットは違うけど、同じ音ノ木坂学院アイドル研究部の一員として色々なことを共有できるんだ。
きっと私だってお姉ちゃん達にも勇気と希望を与えられる存在になれる!
――のかは、わからないんだけどね。
とにかく、今日から私もお姉ちゃんと同じ舞台に立つことが許された。
つまりは私にとって、亜里沙にとって。
ううん――私達にとってのスタートなんだ!
「…………」
「…………」
「――!」
「…………クスッ」
「…………クスッ…………」
「「…………」」
そんなことを考えていた私の視界に突然2本の指が映りこむ。驚いて隣に座る指の持ち主を見つめると、亜里沙は満面の笑みを浮かべていた。
私は呆れながらも、笑顔を浮かべて彼女のピースサインの横にピースサインを並べた。
別に彼女の笑顔と行動に呆れた訳じゃない。
ただ――私が心の中でやろうと思っていたことを目の前で行動に移してきたから。
やっぱり亜里沙には敵わないし、親友になって良かったって思える――と言うか、親友でいられることに感謝しているくらいだしね?
――なんて、ぜっっったいに! 亜里沙には言わないんだけどねっ!
2人は一瞬だけ見つめると、合図をした訳でもないのに同時に指を水平まで上げた。
いや、さすがに今は入学式の最中だから――掛け声も当然、心の中でしただけだよ?
だけど、何故か私には亜里沙の声と私の声――2人の掛け声が脳内に響いていた。
隣で微笑む亜里沙の表情から、彼女にも響いていたんだろうと感じた。
私達は微笑みを交わして、再び正面に向き直るのだった。
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