Introduction (プロローグ)
活動日誌♪ センチメンタル ・ ステップス!
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てしまうのだった。
♪♪♪
一階の居間へ下りてきた雪穂は、食卓に朝食を忙しなく並べる母に声をかける。
「お母さん、おはよう?」
「おはよう、雪穂……穂乃果はまだ起きて――」
「もう起きて制服に着替えていたから、そろそろ下りてくるんじゃない?」
「あら、そう……あの子も生徒会長なんだから早く登校するんだし、さっさと朝食済ませてくれないかしらね?」
「あははは……ねぇ、お母さん?」
「何よ、忙しいんだから……あとにしてちょうだい」
「……うん。ところで、お父さんは?」
「厨房で仕込みをしているわよ? ……はい?」
「あっ、ありがとう……いただきます」
母へ話しかけようとしたのだが、今は忙しいと言われ、父の所在を訊ねると厨房にいると言われる。
ならば先に父の方の話を済ませようと、移動することにした彼女の目の前に、彼女の分の朝食が用意された。
今席を外せば、きっと母の大目玉は必至だろう。そう解釈した彼女は自分の定位置に座り、食事を始めたのだった。
彼女が食事を始めると、穂乃果、少し遅れてから母。
そして母が呼んできたのだろう。母の後ろから父も来て、それぞれの席に座り、朝食を食べ始める。
全員が食事を始めると、何気ない会話が母と姉の間で繰り広げられていた。
父はいつも聞いているだけ。彼女も普段から、姉か母が何か話題を振ってこない限りには相槌を打つくらいしかしない。
そんな、普段通りの朝食の風景。その風景に、何故か不満を覚えていた雪穂だった。
「……ご馳走さま……」
少しムスッとした表情をしながら雪穂は席を立つ。その普段とは違う彼女の表情に、誰も何も言わなかった。
それが余計に腹立たしくなった彼女は、無言で食器を台所の流しに持っていくと、そのまま自室に戻るのだった。
今日は入学式だから、登校の用意は必要ない。だから本来ならば自室へ戻る用事はないのだが――
とりあえず、この場には居合わせたくなかったのだ。
自室に戻り、ソッとベッドに腰をかける。
今日は彼女の入学式。確かに数日前に制服を着る機会はあった。
その際に、家族全員が自分の制服姿を見てはいた。
しかし、それとこれとは別のはず。
数年前の姉の時は、あれだけ興味を示していた……のではなく、姉が勝手に見せていたのだろうけど、それでも――。
とても悲しい気持ちになる雪穂の耳に、部屋をノックする音が聞こえてくる。
とりあえず、気持ちを切り替え、いつも通りに声をかける雪穂。
「なーに? ――って、全員でどうしたの!?」
すると、声を待たずに扉が開かれ、家族が揃って中へ入ってきた。そんな自分達に目を大きく見開いて声をかけた妹に、苦笑いを浮かべて答える穂乃果。
「いや……たぶん、怒
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