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ラブライブ!サンシャイン!!〜千歌キチとAqoursの夢の軌道〜
第3話:ダイスキ→カガヤキ
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なりたい"──ただ、それだけ。






4人の意思はバラバラかもしれない。でも、それが今のAqoursなのだ。
それぞれがそれぞれの目指す場所へ、スクールアイドルというボードの上で前進していく。






「聴いてください!!」







──────







────キラリ!ときめきが生まれたんだと 気が付いたワケは目の前のキミだってことさ──







正直、まだ悔しい。僕が、もっと集客できたんじゃないか……僕がもっと、何か行動を起こしていれば──
彼女たちが新たに輝きだそうとしているのを、止めたくはなかった。僕が何とかしなければならなかった。
だけど、今やるべきことはひとつ。どうなったにせよ、3人を最後まで見届ける。最後の最後まで目を離さないこと。
……すごい。直前であれだけ完成していたのに、まだ上を行くか。本当にすげぇな、こいつら……後ろから見ていてもわかる。誰が一番彼女たちの練習を見てきたと思ってる?一番心配していた千歌も、まったく動きにズレがない。歌も、みんな綺麗だ……
ふと目頭が熱くなる。なんで泣こうとしてんだ、僕は親かよ……でも、今日は許してくれ……止められそうにない。悔し涙か、嬉し涙なのか、もう自分でもわかんねェ。
この曲を作ったときのことを思い出す。千歌が歌詞を書き、そして梨子が作曲して形にする……そんなことあったなァ。梨子がいくつか作ってきた曲の中から「これだ!!」ってのが見つかったときは、みんなでハイタッチしたっけ。
これからがサビ、一番盛り上がりをみせる。そんな風に考えていた。





しかし、神様ってのはどんだけ情がねぇんだろうな……







電気が、落ちた。ステージの照明、音が消え去った体育館は、闇へと呑まれていく。
おそらく、原因は落雷だろう。先程から外から轟音が聞こえる。くそッ、なんでこんなときに……!



「あ………」
「どうすれば………」
「一体……どうしたら………」



3人は立ちつくす。照明、音響がすべて機能しなくなり、途方に暮れる彼女たちの声のみが響く。
暗闇は、彼女たちの心を蝕む。ただでさえ、これが終わってしまえば解散が決まっているというのに……




「………気持ちが、つながり、そうなんだ…………」
「知らないことばかり、なにもかもが……」
「それでも、期待で足が軽いよ……!」




それでも、詩を紡ぐ。しかしそれは、歌にはもう聞こえなかった。
ただ、悲痛な、だが届かない叫びにしか聞こえなかった。
僕に……僕にできることはなんだ……なんでこういうときに限って頭が働かないんだよッ……!!



「温度差
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