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Unseal Operation (グランドプロローグ)
活動日誌− み・はミュージックの・み!
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里沙の優しさに感謝を含ませた笑顔を送り、自分もまた、副部長の責務を労い彼女の肩を優しく叩いてあげる。
2人はどちらからともなく手を止めて微笑みを交わすと、軽くハイタッチをするのだった。
そして亜里沙は雪穂に笑みを溢して頷くと、先に隣の部屋へと歩き出していた。
雪穂は全員が隣の部屋へと入ったことを確認すると、ふと研究部の部室を一瞥する。
姉達の思い出、自分達の思い出、後輩達の思い出。
そんな全ての思い出と、色々な想い。そう言った目に見えないものを沢山詰め込んで見守ってきた部室。
自分達はこれから――受け止めた先輩達から託された想いを、新しい子達へと託していくのだ。
そう、あの扉の向こうには自分の知らない新しい未来が待っている。それは楽しみでもあり、緊張や不安でもある。
まるで彼女には、ライブ直前のステージ袖に立つような気分。そんな風に感じていたのだろう。
でも逃げない。お客さんは待っているのだから。自分で1歩を踏み出さなければ何も始まらないのだから。
そう決意をして雪穂が歩みを進めようとした瞬間――
彼女の背中を優しく押し出す、暖かな風が吹くのだった。
それはきっと巣立っていった先輩達が背中を押してくれた優しい手。
そう解釈した彼女は無意識に強張っていた肩の力が抜け、嬉しそうに微笑んだ。
そんな包み込んでくれる暖かで柔らかな風を感じながら、新しい未来の始まりを迎えるであろう――
新たな『みんなで叶える物語』の1ページ目を綴るべく、眩しい光の方へと歩き出すのであった。
♪♪♪
――こうして始まる、国立音ノ木坂学院アイドル研究部の新たな物語。
しかし雪穂達『託す側』の生徒達も、最初から託すことを自覚できていた訳ではない。
穂乃果を始めとする先輩達と共に歩み、先輩達からの『託された想い』をしっかりと受け止め、自分達で考え、考え、悩んで考えて――。
自分達の信念を作り上げて成長してきたからこそ、後輩達へと想いを託すことができるのである。
この物語は――時を巻戻すこと、雪穂達の入学式。まだ彼女達がスクールアイドルを始める前まで遡る。
入学当初の雪穂達が穂乃果達と同じ時を刻み、様々な出会いや経験をして、沢山の想いに触れ。
色々なことを自分達で考え、答えを導き出して進んでいき――
後輩へ自分達の想いを託していけるようになるまでの成長物語。
そんな彼女達のスクールアイドル活動を、彼女達の活動日誌で読み進める――
穂乃果達の新しい『みんなで叶える物語』であり、雪穂達の『みんなで夢みる歌作り』なのである。
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