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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
353部分:第四十八話 幻影の罠その五
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第四十八話 幻影の罠その五

「じゃあ飲んでおきますね」
「いざって時に動けるように」
「けれど飲み過ぎても」
「やっぱり終わりなんですね」
 しかしこれも言えることなのだった。このウォッカにおいては。
「ちょっと飲み過ぎると酔い過ぎますからね」
「このウォッカだけは」
 こう話しながらまた飲む彼等だった。しかしそれはあくまでちびちびとである。決して一気には飲もうともせずゆっくりとなのだった。
「殆どアルコールですからね」
「飲み過ぎたらそれで」
「それには注意してくれ」
「くれぐれも」
 バベルとオルフェもそこを彼等に注意するのだった。当然彼等も犬橇に乗っている。
「本当にだ。いざという時にだ」
「戦うことができなくなる」
 この辺りの調整が実に複雑なのだった。
「飲むのがいいがな」
「それでも。頼む」
「わかってるって」
「本当に気をつけてるからな」
 彼等は白銀の二人に応えながら飲むのだった。やはりゆっくりと。
 彼等はこうしてウォッカで身体を温める。そのうえで進む。しかしその途中で。不意にカミュが言うのだった。
「来たな」
「来た!?」
「まさか」
「そうだ。そのまさかだ」
 カミュはこう他の者達に告げた。
「来たぞ」
「へっ、いよいよかよ」
「それじゃあな」
「全員橇を止めるのだ」
 カミュはすぐに彼等に命じた。
「わかったな」
「わかりました」
「それじゃあ」
 皆カミュの言葉に従いそのうえで橇を一斉に止めた。そうしてそのうえで立ち上がるのだった。
 その彼等を取り囲むようにして。今白い雪の中に無数の血塗られた影が現われたのだった。
「ふふふ、聖闘士達よ」
「やはり我等のことに気付いたようだな」
 彼等は楽しげに笑いながらカミュ達に対して告げてきた。
「まずは流石と褒めておこう」
「これから死ぬ者達にな」
「死ぬ、か」
 カミュは橇から降りたうえで彼等に対して言葉を返すのだった。
「それは我々のことを言っているのだな」
「貴様等以外に誰がいるというのだ?」
「この雪の大地に」
「いや、いる」
 だがカミュはそれでも言うのだった。
「それは御前達だ」
「何っ!?」
「我等だというのか」
「そうだ」
 今度はよりはっきりと答えたカミュだった。
「御前達のことだ、それは」
「戯言を」
「何を言うかと思えば」
 インプ達はカミュのその言葉に対して口の端を歪めさせて返した。
「我等が貴様等に倒せるものか」
「どうしてもというならばだ」
「それを見せてみるのだ」
「我等を倒してな」
「よかろう」
 カミュはその彼等の言葉にも応えてみせた。
「ならば見せてやろう。このアクエリアスのカミュがな」
「黄金聖闘士を倒せばそれで聖域
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