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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
ブリューヌ激動編
第2話『勇者対魔物!蘇る銀閃殺法!』
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急のようなのだろうか。

「ティッタ!それと……」

驚いた表情で、マスハスはティッタの隣にいる青年を見やった。

「もしや、ガイ殿ではないか?」

突然のことでお互い驚いていたが、一呼吸おいて凱は挨拶した。

「お久しぶりです。マスハス卿」

「どうしてガイ殿がここに?」

「それは私から説明します」

ティッタは、これまでの事を簡単に説明した。詳細のところをバートランが補足する形で話は進んでいった。

「わしが知り合いの貴族に回っている間に……そんなことが」

一通り話し終えると、あまりの内容の濃さにマスハスは、思わず大きく息を吐き捨てたものだ。
主不在というだけで、取り巻く環境が変わってくることは予想していた。マスハスもオードを統治する領主だからわかる。
野盗ドナルベイン一派といえば、ヴォージュ山脈に居を構える大盗賊団だ。テリトアールにも襲撃しているとオージェ子爵も言っていた。

「ありがとう。ガイ殿、お主がいなければ、今頃どうなっていたことか……といいたいが、事態は急を要する。単刀直入に言おう」

「マスハス様、何か悪い事でも?」

心配するかのように、ティッタは問いた。

「ああ、最悪だ」

マスハスは深く呼吸を整えると、重々しく語る。

――テナルディエ公爵が、三千の兵を差し向けて、アルサスを焼き払おうとしている――

――ガヌロンも先んじて、兵をアルサスに向けて動かそうとしている――

アルサスに、戦慄が走った。
これは、フェリックス=アーロン=テナルディエの子息、ザイアン率いる三千の軍が、アルサスの地に足を踏み入れる数日前の出来事である。







『テナルディエ軍がアルサスに接触する数日前の初日』







かくして、マスハスの指示のもと、アルサスの避難が促された。

「町の外に出たことのある者、体力のある者をアルサス郊外の山や森へ向かわせる。ティッタには、女子供、老人を神殿へ避難させてくれ」「はい!」

「バートランは何とかして、このことをティグルに伝えるのだ」「任せてくだせぇ!!」

「ガヌロンのほうは、わしが何とか抑える。」

「マスハス様、ガイ殿はどうしましょう?」

バートランが凱への指示をマスハスに聞いてみた。

「そうじゃな、ガイ殿はティッタを助けてやってくれぬか?」

「了解!」

青年の力強い返事に皆もまた力強くうなづいた。もし、知っている人間がいれば、勇気あふれる今の凱の顔は、GGG機動隊長だったあの頃と変わらない。
それぞれの、アルサスを守るための戦いが始まった。






『アルサス・ユナヴィールの村・主要公通路』






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