ブリューヌ激動編
第2話『勇者対魔物!蘇る銀閃殺法!』
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<なんなんだよ!?なんなんだよ!?なんなんだよ!?なんなんだよ!?こんなの人間のできる動きじゃない!まるで別人じゃないか!!>
何の変哲もない普通の剣が、ヴォジャノーイには凶剣に見えている!
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ローダント家の剣に、凱のGパワーが伝わっていく!
天尖の煌めき!空中姿勢の抜刀術!
数多の人外、無数の悪魔、竜の群れを惨殺せしめた剣技が、今……アルサスにて蘇る!!
「銀閃殺法!!海竜閃!大海嘯!!」
それは、回避と攻撃を一体化した返し技。海竜の華麗な動きを寸分の狂い無く再現した刃のさざ波!
深緑の煌気を乗せた剣が、降魔の斬輝となって魔物の体を斬り裂いた!
凱の技のすごさに、マスハス達は100数えるほど黙って立ち尽くしていた。
竜の爪より鋭い視線のままで、勇者は魔物を見下していた。
そこには、勝ち誇ることなく、かといって苦した表情さえも見せていない。
本当に、目の前で起きたことが真実なのか?それを受け入れるには時間を要した。
今の凱には、『心の中に巣食う獅子』が眠りから覚めてしまっていたのだ。
――あれが、本当に穏やかだったガイ殿だったのか?――
慈愛性の中に隠された、凶暴性という、凱が持つもう一つの側面。
言い表せない矛盾が、凱を除く一人の少女と二人の老人の心を重くする。
「ガイ殿……」
バートランが気遣うような口調でつぶやく。
「わしもこれまで戦場をかけめぐったことがあるが、あのようなすごい技を見たことがない」
驚きを隠せないでいたのは、マスハスとて例外ではなかった。
瞬間、マスハスから渡された剣が、音もなく崩れ去った。
空気と大気の急激な摩擦熱に加え、凱が伝わせたGパワーが上乗せされていたのだ。地上界の物質における臨界点を、獅子王凱はゆうに超えてしまっていたのだ。
それほどまでに、凱の剣撃は鋭かったという事だ。
「ガイ殿の技に、剣が耐え切れず燃え尽きてしまったのか?」
代々伝わる家宝の剣の末路を見届けて、マスハスはそっと目を閉じた。
「……すみません。マスハス卿」
落ち着きを取り戻した凱は、いつもの静かな口調で謝罪した。
「いや、いいんじゃ。むしろ、ティッタの生命を救えたのじゃ。この剣も本望じゃて」
落ち込むどころか、むしろ誇らしげにマスハスは返事をした。
ローダント家の剣は、その役目を立派に果たしたのだ。父と剣に弔いと礼の言葉を捧げよう。
<ううう……くそ……降魔の斬
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