ブリューヌ激動編
第2話『勇者対魔物!蘇る銀閃殺法!』
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は、マスハスとバートランだった。
「ガイ殿?」
なぜ、凱は刃を抜こうとしない?
なぜ、抜けるはずの右手は震えている?小刻みに――
<おい、勇者様が魔物を斬ることに、何オドオドしてんのさ?だったら、僕があの女の子を先に殺してあげる。心の檻を開けて、目覚めさせてあげるよ!>
魔物の攻撃対象がティッタに移る!命を駆られる瞬間にマスハスとバートランは悲痛の叫びをあげる!
「いかん!ティッタ!」
「ティッタァァァ!!」
ティッタが……殺される!
すかさず、剣の握り部に手を掛ける!
そう現実を理解した時、凱はタガが外れたように心の束縛を振りほどこうとする!!
「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
殺さずとコロセの感情が、凱を激しく高ぶらせる!
「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
凱!やらなければ!ティッタが殺されちまうんだぞ!
「あああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
躊躇している余裕はない!
殺さなければ、殺されるのではない!
殺さなければ、――守りたいティッタ――が殺される!
勇者に課せられた、絶対の禁忌。
例え魔物といえど、その命を、魂を『喰らう』時、凱は『獅子王』から、『勇者』に立ち戻れなくなる!
「あああああああああああああああ!!!!!!」
ヤレ!やるんだ!ガイ!
「あああああああああああああああああ!!!!!」
そして今!最強の獅子が、殺さずの誓いを……今……破る!!
「たああああああああああああああ!!!!」
神速を超えた踏み込みで、目の前の敵に迫る凱!
心の檻を食いちぎった獅子は、魔物を食い殺そうと猛然と迫る!
<ひっかかったな!銃!>
ヴォジャノーイの舌が不規則に軌道を変え、凱の背後へ差し迫る!
<後ろから突き殺してやる!>
今までにない強酸性を有した舌が、凱に紙一重で差し迫ろうとしている!捕えた!魔物はそう確信をする!
全ては――ヴォジャノーイの策略だった。
ティッタを餌にすれば、凱は動かざるを得なくなる。その刹那の瞬間を、狙って『舌』で切り返す!
これまでの戦いで、凱の神算、神速、神技は全て見切った!
「うおおおおおおおおおお!!!」
叫ぶ!腹に響くそれは、もはや咆哮であった。
〈捕えたよ!銃!〉
ついに迫る鋼の舌!
しかし、凱はなんと――背後から迫る鋼の舌に対してキリもみ状――にかわし、反撃に転じた!それはさながら身体が蛇のように長い「海竜」の動きのように――
人間の骨格構造を無視した空前絶後の回避体術に、ヴォジャノーイは完全に度胆を抜かれた!!
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