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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第5話「我団(チーム)」Aパート
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以来、ゲームから姿を消したとか」
「うっ」
松下は涙目になった。
「いやーけど、送ってきた写真が女性のものだと思ったのが全部フェイクだったんでしょ。駄目だよネットってデマの宝庫なんだからさ」
それから城ノ崎は足を組んで、
「いやー、凄く面白いねほんと」
「ち、ちっとも面白くねーよ。その会った中の一人はなぁ。・・・女性の格好と化粧した筋肉モリモリマッチョマンの変態も居たんだぞ」
涙目どころか鼻水を出してそう喚いた。
「俺が帰ろうとすると俺の胴体位ある腕で抱きしめて口を塞いできて人気のない道に引きずり込まれそうになったんだぞ」
と涙を流しながら語った。
「怖かったんだぞ。ウェーーーン」
遂に大泣きをしだした。
「さぁ、ごめんなさいは?」
「うぅぅ、ヒグッ。あ、天桐。すまねー、俺が悪かった」
「あ、あー」
「さぁー、二人共早く席に戻ってくれないかな。僕達、楽しいお喋りの続きをしたいんだぁ」
「「は、はい」」
井崎と松下は、二人して気を落としながら席へと帰って行った
「賢太、お前」
「うん?」
「相変わらず毒が効いてるな」
と天桐は引きながらそう言った。矢元も同じくである。
城ノ崎はクラス、いや学年でもっとも毒のある男で少し知られている。
見た感じだと大人しそうで可愛い顔をした好青年だと思われるが、その裏は相手の心を抉り出すような言葉(こうげき)が得意な奴である。
天桐も矢元もこうやって仲良くしているが、城ノ崎は見た目が可愛い小動物なのに実際は猛毒を持つ危険生物みたいな奴だから、正直恐いと思う時がある。
「ところで士良は、ウィーク中に何やってたの?」
気まずい空気の中、城ノ崎が会話を再開してきた。
「え?あー、えーと。寝てたな。うん、それとネットとか」
「ずっとそれ?」
「・・・ずっとそれだ」
天桐は城ノ崎から目を外すと
「ふーん」
城ノ崎は軽く目を細めて怪しい目を逸らす天桐の顔を見ていると
「久しぶりだな皆。元気にしてたか?」
と担任の藤吉先生が入ってきた。
「あ、先生来た」
城ノ崎が先生に目をやり前に体を向けた。
「じゃあ、あとでな」
矢元は自分の席に戻った。
(ふー、あぶねー)
天桐は少し安心した。
「よーし、授業始めるぞ」
そして、久々のホームルームが始まった。


それから久々の授業1日が終わり、放課後となった。
今日も、三人共帰り道は途中まで一緒だが、
「じゃあ、また明日」
矢元はバイトで城ノ崎は塾に行く為、途中で別れた。
いつも通り、そのまま一人で家に帰ることになった。
「ハァー」
(加埜は今日店の仕事で忙しくて話せないし。一人で考えるか)
とそのまま家に足を向けて帰宅しようと思ったが
(そうだ。気分転換に)
と思い付きで寄り道をした。



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