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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第5話「我団(チーム)」Aパート
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も注目し始めた。
「た、頼む。・・・やめてくれ」
と少し涙を出しながらそう城ノ崎に言った。
「やめてくれ、もうあの事は思い出したくないんだー」
「え?けど自分から話したじゃないか僕はラブレターをモテ男だって」
「違う。それは・・・嫌な思い出を良い思い出にしようと自分の中で書き換えた話を、遂しゃべっちまったんだ」
「へー。で、そんな嫌な思い出の嘘話で士良を馬鹿にしたんだ。ふーん」
「あ・・・それは」
何も言い返せなくなった井崎の横で笑みを作る城ノ崎は
「ごめんなさいは?」
とまたあの声でしゃべった。
「ご、ごめんなさい」
「僕じゃなくて、士良に・だ・よ」
と井崎の右耳を握って無理矢理士良に顔を向けさせた。
「ひー、痛い痛い」
と井崎が言って耳を離されると
「あ、天桐。・・・お、お、俺が悪かった」
「あ、あぁ・・・もういいよ。気にしてねーから。ほんと」
天桐も余り良くない空気の中、気まずくそう答えると
「よかったね井崎君。もし、許して貰えなかったら、過去の君の黒歴史全部学校中に噂されてたよ。きっと」
城ノ崎は満面の笑みでそう言った。
「・・・はい」
そう返事をした井崎は既に顔が真っ白になっていた。
「なんと酷いことを」
それを見た松下はビビリながらそう言った途端、城ノ崎の顔が今度は松下を向いた。
「ひっ」
「さて、次はお前、じゃなかった松下くーん」
「な、なんだよ・・・城ノ崎」
(俺のあの件は誰にも話していないから知らないはずだ。大丈夫だ俺、しっかりしろ)
松下は少し心に余裕があるのか堂々と振る舞おうとするが、
「松下が貰ったのはゲームの中でしょ全部」
その一言で顔色が井崎と同じ様に変わっていった。
「な、なぜそれを」
「確か、あるRPGオンゲーで凄く強いプレイヤーでイケメンキャラだった松下は、いろんな可愛い系美人系の女性キャラクターからいっぱいモテていてラブレターをいっぱい貰ったとか」
「あ、あぁ、嘘だろ」
「それで、その中の何人かが写真を送ってくれたらしくて、そのプレイヤー達本人が女の子だと思った松下は、その子達とゲームで付き合ってお喋りやデートしたりするようになって行った。そして、ある日、リアルで会うことになった。すると」
「あ、やめて、それ以上話すのは」
「なんと、そのプレイヤーは男だったとか。それも全員」
「ウワァーーー」
これもまた井崎と同じ格好になった。
「だまれーーー」
「えー、けど話し始めたのは自分でしょ」
「黙れ黙れ、お前らに何が分かるってんだ」
「何が?」
「それは全部、俺をコケにするための罠だったんだぞ」
「知ってるよ〜。そして、松下君をハメた後、ゲーム内で噂されたんでしょ。アイツは、女と思った女キャラと付き合うとんだ勘違いキモプレイヤーだって。それ
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