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ラブライブ!サンシャイン!!〜千歌キチとAqoursの夢の軌道〜
第1話:彼が眺めたいモノ
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、砂浜は脚を育むためによく使われる。
今日も、Aqoursの3人──いや、今日はまだ2人か。曜が水泳部のほうに顔を出しているため遅れると言っていたが、千歌と梨子は迫る本番に向けて着々と力を付けようとしている。
んじゃ、行きますか。
「千歌ァァァァァァ!!」
「うわぁっ!!……なんだー、孝紘くんかー!今日もお疲れ様♪」
「驚かせてすまなかったね、2人も練習お疲れさん」
「……これ、曜ちゃんに見られたら殺されるわよ」
「知ってた。てか曜がいたら絶対やらない」
「んぇ?なんで?」
千歌、世の中にはよくわからないものっていうのが存在するんだよ……と言うと、首を傾げてポケーとしてしまった。なにこのかわいい生物。とりあえず僕と一緒に家庭を作ろう。後ろから抱きついたときに言われたお疲れ様で疲れも吹っ飛んだし、やっぱり僕は千歌の笑顔と声がなければ死んでしまう病気だ。
嫁の温もりを感じながら脳内カルテを記入していると、梨子がスマホの画面をこちらに見せて話しかけてきた。
「野鷹くん、ここのステップをちょっと見てほしいんだけど、どうかな?」
「お、合点承知の助だ。任せろ。どれ……」
ダンスは僕と曜がベースを作って、そこに千歌と梨子の意見を取り入れながら細かい動きなどを決定していくスタンスである。そしてそれを実践して、流れの悪いところは修正、ただ単に動きがズレているなら本人に直してもらうという具合だ。
元々音楽に精通していた梨子や、体を自分の思っている通りに動かすのが得意な曜はあまりズレることはないのだが、千歌は今までこういったものの経験があるわけでもなく普通の生活を送ってきた女子高生なので中々上手くいっていない。
実際今回も、
「千歌がやっぱりズレてるかな。50分の1秒くらいだけど」
「またかぁー!!うぅぅ……本番まであとちょっとなのに……」
落ち込むマイエンジェルにドンマイと一声かけてると、猛ダッシュで迫る奴が一人。即座に千歌から自分の体を引き離す。
やめろ、来るな。
「遅れてゴメン!渡辺曜、ただいま到着しました!」
「はいうるさい。Go back」
「なんて無慈悲な……よーし今から練習するぞー!!」
「は?もう暗いし帰りたいのですがあの」
「そうだね!もうちょっと練習してから帰ろうか!」
「うん、やろう!!」
嫁が言うなら仕方ない。もう大分暗いし帰りたいけど、もう少し練習しようじゃないか。
「変わり身早すぎだよぉ〜……あ、ちょっと千歌ちゃん!曜ちゃん!」
「よーし行くぞー!全速全身ヨーソロー!!」
「コスプレ系脳筋は黙ろうね」
「こ、コスプレ系脳筋……?」
「のうきんってなあに?」
「ああ、脳筋っていうのはね、曜みたいな脳みそが筋肉でできてる人間のことだよ」
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