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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十八話 Sword breaker
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、消えた。そうミウラに認識させるほど早く、ミカヤの姿勢が一気に低くとられ、それと同時にすり足で一歩前へ、ノータイムで抜刀の動作に入る。ここまで来てようやく、ミウラが反応を起こそうと体を動かしかけた。が、遅すぎる。既にミカヤは攻撃に入っている。
次の瞬間、銀閃を引いて振り抜かれた晴嵐がミウラの腹部めがけて叩きつけられた。

「……!!」
「オォッ!!」
気合と共に、振り切られる晴嵐は、そのままミウラを空中めがけて打ち上げる。跳ね上がったミウラの身体を追うように、ミカヤの身体が宙に舞ったかと思うと、あっという間に彼女を追い越し……

「ッ!!」
「カ……ッ!!」
切り返しの振り下ろし一閃、晴嵐の重量と筋力に任せて地面に向かって叩きつけ。投げられた毬のように吹きとんだその身体が、着地したミカヤが音高く納刀するのと同時に、リング外に落下した。

「──水月・二連」


「「「…………」」」
「[Down count 10……9……]」
会場全体が、一瞬静まり返る。その静寂を破るように、出場者のリングアウトを感知したシステムが、機械的にダウンカウントを取り始めた。それを聞いて、ようやく正気に戻ったように、実況者が声を上げる。

「り、リングアウト・ダウン!!」
まさしく、一閃。
甘い考えで突撃した愚か者を一撃で切り伏せるそのスピードと破壊力に、会場全体が圧倒されていた。そんな観客席にようやく到着したハリーとジークが身を乗り出す。

「あ!ほらみろ!お前がモタモタしてっから試合終わっちまったじゃねぇか!!」
「え?」
見逃した!と言わんばかりにそう怒鳴ったハリーの言葉に、ジークが首を傾げた。
それと同時に、会場に歓声が上がる。リング外に叩きだされた小さな影が、ダウンカウントが終わる前にゆっくりと起き上がったのだ。

「……あり?」
「おわってへんやろ?あの子、ミカさんの斬撃、それなりに防いでたんよ」
とはいえ、防いだといっても、あの斬撃はほぼ直撃だった。現に……

ミウラ・リナルディ DAMAGE 10350 LIFE 1650

受けたダメージが大きすぎる。あれは殆ど致命傷と同義だ。
しかも試合開始からまだ20秒も経っていないのである。残り時間はたっぷり三分半。その時間で仕留めきれないほど、ミカヤの剣は鈍くはない。回復可能なインターバルまで仮にしのいだとしても、あの状態からではそれ以上戦うことは難しいだろう。だが……だからこそ気になることがある。

「(彼女のライフは既に危険粋。だが、このだというのにこの気迫はなんだ……?)」
リングインして構えを取ったボロボロのミウラを見て、しかしミカヤは警戒を強めていた。……ミウラの、目。あの目は、まだ勝負を諦めていない者の目だ。だが、それが解せない。これだ
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