第13話 気づいた本音、残った疑問
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また...ですか?と、僕は中学時代の地獄の毎日を思い返していた。すると、三人の女子高生は好意的で興味ありげな目をしながらゆっくりと僕の方に近づいてくる。
なんていうか...餌を求めて涎を垂らしながらにじり寄ってくる狼を連想させる光景だった。
僕は一歩後ずさる。
「あ、あの!!」
「はいいっ!?な、なななんでしょうか!?」
緊張もあって返事が裏返ってしまった。
そんなことはお構いなしに女の子は更に寄ってくる。怖かった。
「あの、音ノ木坂学院に何か用ですか?」
「あ、いや。僕は―――」
「もしかして彼女さん待ちですかぁ〜?」
か、彼女待ちって...。
真っ赤になった僕を見て女の子たちはくすくすと笑い始める。
照れくさくてそっぽを向きながらポリポリと頭をかく。どうにもこういった容姿を褒められるのは得意じゃない。よくイケメンだとか、カッコいいだとか背が高いだとか。
確かに背が高いことに対して否定するつもりは無いし、自分でもそう思っている。
でも僕の容姿は普通だと思っているし、イケメンなんて全国を、或いは世界中を駆け巡ればごまんといるんだ。
もしかすると、他の男子と勘違いしているんじゃないのかな?
...まぁ、ここにいる男子は僕しかいないから間違いなく僕を指して言っている。
「あ、あの...一年生の小泉さんと、星空さんって女の子をご存じないですか?」
「え?あーごめんね?その子たちのことはわかんないや」
「で、ですよね...すいません」
「でもでもぉ〜♪もしかしてその子たちが彼女さん?二人?やっぱりモテモテなんだね〜!!」
リボンの色からして僕の一つ上...二年生の先輩だろう。
かなり早口で途中、何を離したのかよくわからなかったけど...スルーした。
僅かに警戒心を感じているけど、そもそもこうして話しかけてくる以上そこまでではないだろうし、高坂先輩や花陽、凛じゃない別視点からの情報も得られるかもしれない。
少し緊張するけど、アクションを起こしてみることにした。
「あのさ、今の音ノ木坂ってどんな感じなんですか?」
「え?どうしたの急に」
「え、いや。まぁちょっと気になりましてですね」
わからないといった表情で、首をかしげる。
あずき色の髪をした先輩(?)は特徴的なお団子を揺らして尋ねる。
「知ったところで...どうするの?」
「え、いや...別に何もしませんよ。ただ、噂になっていたもんでして」
「ふ〜ん。そうだね、廃校っていう問題に向けて生徒会も動き始めているという話は聞いたことあるけど始まってすぐに頓挫しているみたいだね!」
「まぁあの生徒会長、かなり|音ノ木坂《
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