外伝
第0話『るろうに戦姫〜独立交易都市浪漫譚』
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酷似したものだ。
「ちょっと使わせてくれないか?」「かしこまりました」
展示用の多目的玉鋼を使わせてもらった。
ヴァレンティナは、例の商品を使ってみて、感涙の声を吐いた。その軽さ、その画面、音声、指をこすると次々とページが切り替わる機能に夢中になった。
理解できない文字ではあるが、浮かび上がる文字も絵も、綺麗としか言いようがない。
音が鳴った。どうやら基本設定で入力されている音楽のようだった。雑音のない音楽は、彼女の耳を楽しく反応させた。
絵が浮かび上がってきた。どこかの湖なのだろうか。本物の湖と遜色ない絵が浮かび出てきた。
滑らかに躍動する小さな絵本の世界は、ティナに大きな感動を与えたのだった。
「これほしいですわ!」
目をキラキラさせながら、ティナは迷いなく商品目当てでスペシャルハードコースを選択した。
まるで子供の用にはしゃぐヴァレンティナをみて、凱はなんだか自分の事の世に、嬉しさを感じていた。
戦姫の威厳などとうに失せていた。
早速、ゲームが始まった。
――?――?――?――
「弓どころか、弩がないのですが、どうやってするのですか?あんな100アルシン離れている的に当てるなんて無理です」
ちなみにアルシンというのは、おそらく彼女の国の物理単位(距離)なのだろう。
ここから的までは実際100メートルに設定しているから、アルシンとメートルはほぼ一緒。
「これを使ってやるんだ」
「何ですか?これ」
「銃といってな。そこは弾倉といって、中に緩衝性の弾丸が詰まっている。これなら誤射しても人体に危険はない」
ティナは、的当て用の弾をひとつつまんでみた。石粒よりも小さく、木の弾のよりも軽く、それでいて固い素材に関心を向けていた。一体どのような素材でできているのだろう――と。
おもちゃ程度の射的で、この程度の弾で本当に50アルシンとぶのか?なんだが途中で失速してしまうのではないか。という不安が頭によぎる。
「私、ジュウなんて聞いたこともありませんし、こんなもの初めて見ましたわ。どうやって使えば宜しいのですか?」
「ああ、今教えるから」
「この筒を覗き込むと黒い十字線が見えるだろ?的を十字の中に収めるようにして構えるんだ。視界がぼやけたら、ここでピントとフォーカスを調整する。すると視界がはっきり見えてくるはずだ」
「それなら簡単ですね。ただ的をしるしに収めて放てばよろしいのでしょう?」
もはや買ったも同然の顔をするティナを見て、凱は面白そうに嘆息をつく。
「そううまくいけばいいけどな……ちなみに覗き込むときは利き目でな」
「こうですか?」
片目を閉じて片目で見る。妙な違和感が彼女の両
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