暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
決死の脱出
[9/11]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
にフワフワと鼻をくすぐられて、ベットロールから起き上がったリズベットは大きく背伸びをした。
視線を巡らせると、キリトとネザーの2人は既に目を覚ましていた。地面に膝をつきながら雪をかき分けるキリトを、ネザーが手伝う光景が眼に映った。
ザクザク、という音と共に、たちまち深い穴が
穿
(
うが
)
たれていく。
そんな光景を見ていたリズベットが、後ろから声を掛けた。
「何してるの?」
「宝を掘り出しているところだ」
そう言ったネザーの後に続くようにキリトは雪の中から掘り起こした物を片手で掴み、リズベット前に差し出した。
「あ!?」
目の前の差し出されたのは、白銀に透き通る、長方形の物体だった。キリトの両腕からわずかにはみ出すくらいの大きさだ。リズベットにとっては見慣れた形、見慣れたサイズの
金属素材
(
インゴット
)
。でもこんな色の物は見たことがない。
リズベットはその金属素材を両手で受け取り、右手の指を動かしてそっと金属の表面を叩いた。ポップアップウィンドウが浮かび上がる。
アイテム名は、《クリスタライト・インゴット》
「これ……ひょっとして……」
キリトの顔を見上げると、彼も釈然としない表情ながらも頷いた。
「ああ……。俺逹が取りに来た金属だ」
「俺はカウントされてないからな」
自分がアイテムを取りに来たわけじゃないと、ネザーが念を押した
「でも、なんでこんなとこに金属が埋まってるのよ?」
「ああ……そのことなんだけどさ……」
リズベットの疑問にはキリトではなく、ネザーが説明した。
「この縦穴はドラゴンの巣だ」
「ええ?」
「ドラゴンは水晶を
囓
(
かじ
)
り、腹の中で精製する。……つまりそのインゴットはドラゴンの……その……」
「……ドラゴンの何よ?」
続きを言おうとしないネザーに代わって、キリトがその先を説明した。
「その金属はドラゴンの排泄物だよ」
「……え?」
リズベットは頬を引きつらせながら、胸の中のインゴットに視線を落とした。
「ぎえっ!」
思わずインゴットをキリトに投げ返してしまう。
「おっと」
それをキリトが見事にキャッチし、アイテムストレージに格納した。
「ま、なんにせよ、目標達成という訳だ。後は脱出できればだが……」
キリトがそう言い掛けた途端、あることに思い至って、口をポカンと開けたままリズベットが
絶句
(
ぜっく
)
した。
「ねえ、ここドラゴンの巣だって言ったわよね」
「ああ。言ったが」
ネザーが何気無く答える。
「確かドラゴンは夜行性。今は朝だからそろそろ……」
リズベットの意図を察した2人の剣士はしばらく互いを見つめ合い、次いで3人揃って上空
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ