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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
愛情=狂気
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前、俺の目の前で消滅したばかりのヨルコは、上目遣いに俺を見ると、ごく微かな苦笑いを頬に浮かべた。

「ごめんなさい、ネザーさん。全部終わったら、きちんとお詫びに伺うつもりでした。……と言っても信じてもらえないでしょうけど」

「……ああ、信じないな。だが今はどうでもいい」

わずかに緩んだ空気を、ガシャリと全身鎧を鳴らして状態を起こしたシュミットの、いまだ緊張の抜けない声が再度引き締めた。

「……ネザー、助けてくれた礼は言うが………なんでわかったんだ。あの3人がここを襲ってくることが?それに、なんで俺達がここにいると……」

食い入るように見上げてくる巨漢(きょかん)の眼を見返し、言葉を発した。

「ラフコフの3人がここを襲うことは、別にわかってた訳じゃない。推測しただけだ。お前らがここにいるとわかったのは、ヨルコとフレンド登録していたアスナに見つけてもらっただけだ。そもそも全てがおかしいと思ったのは、ほんの30分前だ」

俺はヨルコとカインズに視線を移し、言った。

「お前ら、あの2つの武器……逆棘の生えたスピアとダガーは、グリムロックに作ってもらったんだろ」

ヨルコとカインズは、互いをチラリと眼を見交わしてからヨルコが答えた。

「グリムロックさんは、最初は気が進まないようでした。もうグリセルダさんを安らかに眠らせてあげたいと言って」

そこまで言った後、カインズが説明を引き継いだ。

「でも、僕らが一生懸命頼んだら、やっと武器を作ってくれたんです。今回の計画には、継続ダメージに特化した貫通属性武器がどうしても必要でしたから」

2人の説明からも、やはりヨルコとカインズはグリムロックのことを、奥さんを殺された被害者だと信じていることがわかる。

俺は、この場にいる3人に激しい衝撃を与え深く傷つけるであろう言葉を、いつも通りの冷たい態度で伝える。

「お前らには残念だと思うが……グリムロックが計画に反対したのは、グリセルダのためじゃない」

「「「え?」」」

ヨルコ、カインズ、シュミットの3人は、意味がわからない、というように首を(かし)げた。

「《圏内PK》などという派手な事件を演出し、大勢の注目を集めれば、いずれ誰かに気づかれてしまうと思ったんだ」

「気づくって、何に?」

シュミットの質問の答えは、この事件の謎を解く重要な点でもあったのだ。

「役者が揃ったら説明する」

言葉を切った俺の元に、丘の西側斜面を上ってくる3つの影がやって来た。

「ネザー」

「見つけたわよ」

まず眼に映ったのは、見覚えのある2人の顔。この事件の謎を解くのに協力したキリトとアスナの姿。

キリトより前に出ているアスナは細剣の鋭い切っ先を、ジェントルマン風
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