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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
瞬殺
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にまったく興味を示さない俺が足を動かし、サクサクと聖竜連合本部へと歩き始めた。

キリトとアスナも、釣られるように後へ続く。





3人がシュミットを連れて、第57層主街区《マーテン》へと転移し、青いポータルから出てきた時には、街はすでに夕景に包まれていた。

広場にはNPCや商人プレイヤーな屋台が立ち並び、賑やかな売り声を響かせている。その間を、1日の疲れを癒しに来た剣士達が連れ立って歩いているが、広場のとある場所だけがポカリと空疎(くうそ)間隙(かんげき)を作っていた。

小さな教会に面した一画。言うまでもなく、ほぼ24時間前にカインズが謎の死を遂げた場所だ。俺はどうしても吸い寄せられそうになる視線を無理矢理前方に固定し、昨日歩いた道を進み始めた。

数分で目指す宿屋に到着し、2階へと上がる。長い廊下の一番奥が、ヨルコが滞在(たいざい)……または保護されている部屋だ。

ドアをノックし、ネザーだ、と名乗る。

すぐに細い声で応えられ、俺はノブを回した。引き開けたドアの正面、部屋の中央に向かい合わせに置かれたソファの片方に、ヨルコが腰を掛けていた。す、と立ち上がり、暗青色の髪を揺らして軽く一礼する。

俺はその場から動かずに、ヨルコの張り詰めた表情、そして背後のシュミットの同じく強張った顔を順番に見て、言った。

「念のため確認するが、2人とも武器は装備するな。ウィンドウを開くのも禁止だ。いいな」

「……はい」

「わかってる」

ヨルコの消え入りそうな声、シュミットの(いら)()ちの(にじ)む声が同時に応じた。俺はゆっくり中に足を踏み入れ、シュミットとキリトとアスナを導き入れた。

随分と久しぶりに対面するはずの、元《黄金林檎》メンバー同士の2人は、しばし無言のまま視線を見交わしていた。

かつては同じギルドメンバーだったヨルコとシュミットだが、今となってはそのレベル差は20を超えているだろう。上なのはもちろん攻略組の一員たるシュミットのほうだ。しかし俺の眼には、屈強(くっきょう)なランス使いのほうが余計に緊張しているように見える。

事実、先に口を開いたのはヨルコだった。

「……久しぶり、シュミット」

そして薄く微笑む。対するシュミットは、一度ギュッと唇を噛み、掠れ声で答えた。

「……ああ。もう二度と会わないと思ってたがな。座っていいか」

ヨルコが頷くと、フルプレートアーマーをガシャガシャ鳴らしながらソファーに歩み寄り、向かい側に腰を下ろした。さぞかし窮屈(きゅうくつ)だろうと思うが、除装する様子はない。

俺はしっかりとドアを閉めて再度ロックされたことを確認し、向き合って座るヨルコとシュミットの東側に立った。反対側にはアスナが立ち、北側には
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