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詩集「棘」
どれだけ会えなくても想ってる

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ねぇ…一緒にいたあの頃は幻で
今は全てがこんなにも遠く…

山波が紅く染まってく
君のいない二度目の秋…
暖かな日溜まりさえ淋しいよ
見上げた空はいつしか高く…

どれだけ会えなくても想ってる
自分に嘘はつけないから
だからこそ痛むこの心が
君を探すこと止めてくれない…


フワリと漂うあの雲は自由で
きっとどこまでも飛んで行ける…

枯れたススキが風になびく…
夕陽の朱に穢される…
まるで思い出さえ焼かれるように
苦しみ喘いで日は沈み…

どれだけ会えなくても想ってる
それでも愛しさ溢れ出す…
動き出した時間(トキ)に苛まれ
いつしか自分さえ見失い…


告げたいと思うのは…
楽になりたいから…?
全てを裏切ってでも
それを手にしたいから…?
それとも…

どれだけ会えなくても想ってる
それが僕と言う人間(ヒト)だから
明けきれない空に雨が降る…
今日も一人…世界を眺め…

どれだけ会えなくても想ってる
自分に嘘はつけないから
だからこそ痛むこの心が
君を探すこと止めてくれない…


ねぇ…一緒にいたあの頃は幻で
きっとこのまま暮れゆくのだろう…




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