第一話 異世界に行ったら魔王の嫁になってた。
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長い間、追っていたんだ』
神は悲痛な表情を浮かべながら口を開いた。
『この殺人者を僕らは、またしても僕らは、捕まえる事が出来なかった』
少年は、あっさりと察した。今ここで話を聞いている自分なんかよりもよっほど、神の方が被害者なのだと。
しかし、そこには触れないようにした。それよりも聞くべき事があるとばかりに口を開いた。
「そんなことよりも」
だから少年は、会って30分も経っていない相手に、敢えて冷たく接する。
「僕が転生するのは、なんの種族なの?」
だから神も、それ以上何も語らない。少しでも、この健気な相手に返してあげるように。
『君が望む種族だよ』
少年は、即答した。
◇
お世辞にも、環境が良いとは言えない、空に浮かぶ月のみしか映えない不毛の地に建つ巨大な城。
その巨大な城の呼び名は、魔王城。
魔の全てを統べる覇者。闇の体現者。
そんな呼び名を持つ“魔王”が住まう、恐怖の代名詞。
その魔王城に、天から一筋の光が落ちてきた。
◇
………………あ、ども。
今回から視点固定の主人公、スズです。
え?苗字はどうしたって?
…………さぁ?
まあ、そんなどうでもいい事をgdgd言っているのには理由がある訳で。
あの日、僕がこの世界に転生した日、神にーさまに種族を“魔族”にしてもらい、“魔力”とやらで“魔法”を使えるようになったのだ。
それで、調子に乗った僕は“魔力切れ”なんて考慮してなかった訳で。
“魔力”を撒き散らしながら僕は、“魔王城”。より正確には、“魔王城の中庭でちょうど散歩してた魔王の頭上”に猛スピードで突っ込んでしまった訳です。
頭と頭でごっつんこ。なんていう自体は免れたものの、ぶつかって倒れた拍子に魔王と…………き、キスをしてしまったのだ。
当時はそれどころじゃなかったんだけど、よくよく考えてみたらソレがファーストキスだったんだよね。
とか、そんな事を考えながら、ここがどこなのか丁寧に教えて貰っていた。
で、それだけでも現実逃避したくなるのに、そこに“魔王”が、「妻になってくれ!」って叫んできたのです。
おかげでこうして現実逃避させられてますよ、はい。
これで現実逃避しない奴は人間じゃないね。あ、そう言えば僕は“魔族”になったんだっけか(遠い目)。
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