第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#7
呪縛の死線 玲瑞の晶姫VS漆黒の悪魔U 〜Shallow Sleep〜
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事は、表裏一体の真理。
圧倒的な能力を持つスタンド 『エボニー・デビル』 も
スタンドで在るが故に 「弱点」 は在った。
“人の出会いも重力”
この 『運命』 の法則にだけは、最強の悪魔も従属するしかなかった。
『アアアアアアアアアアアアアガガガガガアアアアアアアアアアアアアアアア
ァァァァァァァァァァァ―――――――――――!!!!!!!!!!!!!
ディ、DIO様ァァァァァァァ!! 私は!!
私はあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!』
ヴァッッッッッヴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォ
ォォォォォォォォォォォ――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!
最後に己が主に対する狂信的な断末魔を挙げて、悪魔は灰燼に帰した。
同時に室内を覆っていた闇が一斉に晴れる。
薄地のカーテンが揺れ、爽やかな風が淑女の髪を優しく撫ぜた。
「お……恐ろ、しい……本当に……恐ろしい相手だったので、あります……!」
「同意……」
満身創痍、疲労困憊を絵に描いたような様相で
ヴィルヘルミナは床に手を付きティアマトーも力無く応じる。
降り注ぐ陽光に、流した鮮血がキラキラと輝いた。
「もし、戦う相手が私でなかったなら、
“能力の全容を知られていない私でなかったなら”
一体どうなっていたか、想像もつかないのであります……!」
「僥倖」
本当にもし、自分ではなくあの方がアノ “悪魔” に襲われていたら……
傷の痛みとは別に躰がガタガタと震えた。
ティアマトーの言う通り、自分が勝てたのは本当に幸運。
最後の 「流式」 の本質が割れていたら、
或いは人形ではなく石像や鉄像にでも取り憑かれていたら、
間違いなくヤられていたのは自分の方だった。
「人……形……」
おもむろに立ち上がり、床に落ちたアンティークを拾い上げて
サイドボードに戻し、その頭をそっと撫でた。
異国の奇妙な民族工芸が、その加護で自分を救ってくれたのかもしれなかった。
「全ては終わりましたが、まずはマスターに報告を。
傷の治療もお願いしなければならないのであります」
「適切」
血に濡れたヘッドドレスを頭に戻し、ヴィルヘルミナはドアへと踵を返す。
傷だらけ血塗れのメイドが部屋から出てきたら、
ホテル内は大騒ぎになると想ったが出血と痛みで
朦朧とする意識では、そこまで気を回す余裕はなかった。
「あ……」
ドアの前でふと立ち止まり、カードキーを忘れた事を想い出し室内に戻る。
サイドボードに置かれた忘れ物を手に取り再び踵を返した瞬間。
「人、形……
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