第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#7
呪縛の死線 玲瑞の晶姫VS漆黒の悪魔U 〜Shallow Sleep〜
[5/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
悪魔に向き直る。
骨とアキレス腱までは達していなようだがこれで俊敏な動きは不可能、
それ以前に敵の攻撃を躱すコトすら危うい。
最も相手の投げた鏡に映った姿を本体だと錯覚する程のスピード差では、
己の有利など端からないも同然だったが。
『フンッ! こうまで力の差があると面白味ってモンがねーな!
だが楽に死ねると想うなよ? ラヴァーズ。
テメーは! “テメーだけはッ!”
自ら殺してくれって縋り付いてくるまで嬲って嬲って嬲り抜いてヤるからよぉ〜!!
アアァ〜ッ!!?』
ただ勝利するだけでは飽き足らない、死ぬよりも辛い地獄を味合わせるという
陰惨な決定の許、悪魔はその貌を狂気で歪ませ吼えた。
「……」
今や両膝をついた状態で脚に血の温もりを感じながら
淑女は悪魔の宣告にきつく口唇を結んだ。
「……確かに、 “今のままでは” 勝機は薄いようなのであります」
『アァッ!?』
自分の許可無しに口を開くなと言わんばかりの恫喝を浴びながら、
ヴィルヘルミナは髪を飾る白いヘッドドレスに手を添える。
「ティアマトー、神器 “ペルソナ” を」
「了承」
短い呼び掛け後、礼拝のように胸元へと払われた手を合図に
ヘッドドレスが時間を逆回ししたかの如く糸となって解れ、
桜色の火の粉を鏤めながら新たなる形容へと編み直される。
ソレは、表面に不可思議な紋様を描く、
狐に酷似した 「仮面」
その隙間から夥しい数のリボンを溢れさせ巨大な鬣 を形成し、
舞い散る火の粉が淀んだ闇を消し去る。
コレが “夢幻の冠帯” ティアマトーのフレイムヘイズ、
“万条の仕手” ヴィルヘルミナ・カルメルの戦装束。
甲冑を外した 『銀 の 戦 車』 同様、
己が能力を最大限に発揮するコトの出来る絶対の戦形。
「不備なし」
「完了」
端的に言葉を交わした後、ヴィルヘルミナは宙に浮いた状態で
エボニー・デビルを見下ろす。
その神秘的な光景はまさに、暴虐非道の限りを尽くす悪魔を断罪する為
降臨した神の御遣いが如く。
全身から発せられる神聖な気配が、空間を覆い尽くす呪詛を払っていく。
『ケェッ! ソレがどーした!? ンな仮面被ったからって何も変わらねーぜ!
今のオレに勝てるヤツなんぞどこにもいねーんだよッッ!!』
神の威光を解しない、愚かな悪魔そのままの口調で人形は吼える。
その背後に漆黒のスタンドの幻 象を揺らめかせながら。
「最早、問答は無用。
お前を他の遣い手より数枚落ちる踏んだのは私自身の未熟。
故に、この “万条の仕手” 最大最強の焔儀にて、
この戦いの終局とするのであります……ッ!」
醜悪極まるが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ